「神の発明」「対称性人類学」中沢新一

Catégories: /

  [amazon] [amazon]
中沢新一氏のカイエ・ソバージュシリーズ、読み残していた2冊をようやく読みました。いやあ、大変でした。文章はとても読みやすいのに、内容がなかなか頭の中に入ってこなくて... いえ、全部入ってこないわけじゃなくて、ものすごく興味深く読んだところもあるんですけど、どうも頭がすんなり受け付けない部分もあって。結局2冊を2度ずつ読んだんですが、これをまとめようと思ったら大変だわーっ。そういや、3巻の「愛と経済のロゴス」でもちょっと苦労していて、この先もっと苦労しそうだなという予感があって、こんなに間が開いたんでした。すっかり忘れてた。(笑)
でも全体的には、ものすごく面白かったです。読みやすいですしね。時には小難しい文章の方が有難がられることもあるようですが、これは平易な文章でありながら内容は深いという良い例かと。

今回特に面白かったのは、4巻「神の発明」の中の「スピリット」の話。
スピリットといえば、日本の八百万の神々の例を取ってみても分かるように、自然の中に数限りなくいるもの。そしてそういったスピリットと交信するのがシャーマンなわけですが、時には集団で共同体験を行うこともあるわけです。例えばアマゾン河流域のジャングルに住むあるインディアンは、今でも幻覚性植物を使って、集団で銀河のような光の幻覚を共有するのだそう。この集会に実際に参加した人類学者の話なんかも載ってます。でも実際には、そういう植物を利用しなくても幻覚症状を引き起こすことはできるんだそうです。例えば深い瞑想や電気的な刺激。完全な暗室に入ってしばらく静かにしているだけでも、じきに視覚野が発光しはじめるらしいです。(今度やってみよう) で、面白いのは、その時に見える光のパターンの形状は、どんなやり方でやったとしても、どれもとても似通っているということ。古代からこういった光のパターンがスピリットの存在に結び付けられてきたそうなんですが、そういった光のパターンは、実は人間の内部視覚だったんですね。そして「スピリット」は、そういった体験を説明する原理として生まれてきたもののようです。
そして数多くのスピリットの中には、威力と単独性を備えた「大いなる霊」も存在して、その「大いなる霊」がある条件のもとでその環を抜け出した時、一神教の「ゴッド」が生まれることになるようです。...とは言っても、全てのケースで抜け出すわけではなくて、アメリカ先住民の「グレートスピリット」のように、威力と単独性を供えていても、「ゴッド」にはならないケースもあるんですね。これは、そこに国家が存在するかどうかというところが分かれ目。王や国家を生み出す力が、「ゴッド」をも生み出すことになるようで、この辺りの話もすごく納得しやすくて、面白かったです。ただ、この辺りの説明があっさりとしすぎていて、少し物足りないんですが...。2巻の「熊から王へ」のこの話の関連部分を読み返してみようっと。(講談社選書メチエ)


+シリーズ既刊の感想+
「人類最古の哲学 カイエ・ソバージュI」中沢新一
「熊から王へ カイエ・ソバージュII」中沢新一
「愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュIII」中沢新一
「神の発明」「対称性人類学」中沢新一

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「神の発明」「対称性人類学」中沢新一 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.