「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ

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何度も読みすぎてばらばらになってしまった植物図鑑を直してくれるというルリユールおじさんを探す女の子の物語「ルリユールおじさん」と、様々な場所を旅しては、様々な風景を切り取ってくる「絵描き」の2冊。

いせひでこさんの絵は水彩画。好きな絵といえば、基本的に抽象画だったりする私なんですが、こういう絵はものすごく好き! 「ルリユールおじさん」を読んだあと、思わず「絵描き」の方も手に取ってしまったほどです。色使いがとても素敵で、特に青がとっても綺麗。「ルリユールおじさん」で女の子の着ている青い服、おじさんの着ている群青色のセーター、「絵描き」の中の、昼や夜や夕暮れ時の様々な空の青、海の青。もちろん青以外の色も沢山あるのだけど、それらの色によって一層青が引き立ってるような気がします。
そして私が一番惹かれるたのは、「ルリュールおじさん」の職人さんの「手」。子供の頃から「職人の技」が大好きで、デパートの催し物会場で伝統工芸の実演販売なんかをしていると、思わず見入ってしまう習性があった私。自分でも色々と手を出したことはあるんですが、「ルリユールおじさん」で描かれているのは、その中でも憧れ度の特に高い本作りの職人さんでした。「ルリユール」って、フランス語で「製本屋」という意味なんです。図書館では本の簡単な修理の仕事をすることも結構多くて、それが実はひそかに嬉しかったりするんですが、そんな私に「ルリユールおじさん」はもうツボど真ん中。本を読むのももちろん好きなんですが、本そのものも大好き。以前にも豆本講座には行ったことがあるんですけど、ああ、こんなのを読んでしまったら、本格的に製本の勉強をしたくなってきちゃうなあ。ルリュールおじさんの、木のこぶのような節くれだった手がとっても素敵。
そして「絵描き」の方は、いせひでこさんご自身が「絵描き」さんだけあって、また違った意味で伝わってくるものがある1冊でした。こんな風に風景を切り取っていくんですね。ああ、素敵だなあ。いいなあ。ゴッホだなあ。

「ルリユール」には、「もう一度つなげる」という意味もあるのだそう。そして「絵描き」の方には、「きのうときょうはつながっている」という言葉が。昨日から今日へ、今日から明日へ。どちらの本も時がゆったりと流れていきます。(理論社)


+既読の伊勢英子作品の感想+
「ルリユールおじさん」「絵描き」いせひでこ
「旅する絵描き パリからの手紙」伊勢英子
「グレイがまってるから」「気分はおすわりの日」伊勢英子
「マキちゃんの絵にっき」「ぶう」伊勢英子
「カザルスへの旅」伊勢英子
「はじまりの記憶」柳田邦男・伊勢英子
「1000の風 1000のチェロ」「雲のてんらん会」いせひでこ
「空のひきだし」いせひでこ
「むぎわらぼうし」竹下文子・いせひでこ
「大きな木のような人」「ルリユールおじさん」いせひでこ
「にいさん」いせひでこ
「ざしき童子のはなし」「よだかの星」「風の又三郎」「水仙月の四日」宮沢賢治・伊勢英子

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Commentaires(4)

四季さん、こんばんは。
いせひでこさんの画、いいですよね~。
偶然にも長野の安曇野に出かた際、
この「ルリユールおじさん」の原画展を観ることができました。
実物の“青”はあまりにも感動的で、ため息がこぼれました。

四季さん、こんばんは~。
わー、これ、新聞紙上の紹介を見て、読みたいなぁ、と思っていたのです。
いせひでこさんの本は、ハスキー犬グレイとの日々を書いた「グレイがまってるから」、「グレイのしっぽ」、「気分はおすわりの日」を読みました。
その中にも、「絵描き」としての日常が入っていて、芸術家としての厳しさにも、なんだか感じるものがありました。

で、今回のトラバは、いつも微妙なつながりなのですが~。笑
森絵都さんの本で、表紙をいせひでこさんが描かれたものです。
物語としても、なかなかに爽やかで良かったです。

>ましろさん
こんにちは! いせひでこさんの画、本当にいいですね。
久しぶりに好きな絵に出会ったなあという気がします。
わあ、偶然原画展を見ることができただなんて! それはすごいラッキーですね。うらやましすぎます~。
絵本で見るだけでも十分綺麗な青、実物だと、さぞかし美しかったのでしょうね…。
ため息がこぼれるような青、私もいつか見てみたいなあ。

>つなさん
つなさんは、既に何冊も読んでらっしゃるんですね~。
新聞にも紹介されてましたか。帯にも色々書かれてましたよ。
そんな風に話題になってる本だと、逆に手に取りにくく感じてしまうことがあるんですけど(笑)
これは手に取って、本当に良かったです。

「アーモンド入りチョコレートのワルツ」は、私も以前単行本で読みました!(ブログを始める前です)
夢のような色合いの表紙だったなあ、って印象が今でも残ってます。
あれは、いせひでこさんの絵だったのですか!
その後文庫が出たので買ったんですけど、また全然違う表紙になっちゃってて。
これはこれで綺麗でいいんですけど… 良く似合ってたのに、なんだかもったいないなー。

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