「黒ばらさんの七つの魔法」「黒ばらさんの魔法の旅だち」末吉暁子

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黒ばらさんは、現在135歳になる二級魔法使い。使える魔法は飛行術と変身術だけなんですが、それはドイツのハロケン山にある魔法学校で習ったれっきとしたもの。普段は駅ビルの一室を借りて、悩める人たちの心の相談に乗る仕事をしています... 「黒ばらさんの七つの魔法」は、そんな黒ばらさんの連作短編集。そして「黒ばらさんの魔法の旅だち」は、それから15年後の物語。こちらは長編です。

牧野鈴子さんの表紙がとても綺麗なので気になっていた作品。
黒ばらさんは魔法は2つしか使えないし、大きな魔法を使うと疲れるからって、それほど積極的に魔法を使おうとしないんですよね。もちろん細々としたことでは魔法を使ってるし、必要があればホウキで街中を飛んだりもするんですけど、外国に行く時は普通に飛行機を利用してるし! そうでなくても団地に1人暮らしで、悩み相談の仕事をしてるなんて、あんまり魔女らしくないです。でも逆にそれが現代風の魔女ってところかな~? 魔法が使えるとは言っても、飛行術と変身術だけじゃあ、やれないことがいっぱい。病気を治すこともできません。でも魔法にばかり頼らないところがいいんですね。それに135歳だというのに、見た目は一応40歳ぐらいの黒ばらさん。ベニスで出会ったエメラルドのような瞳をした素敵な青年に恋したりして、その乙女心が可愛い~♪
「七つの魔法」の方では、「黒ばらさんのカンボランダ」が好きでした。これは、かつて「いばら姫」の誕生祝いのパーティに招かれずに腹を立ててたあの魔女が、なぜか今は「地球の土と緑をすくう委員会」なんていうものに入っていて、あらゆる害に強く繁殖力抜群のカンボランダという木を開発、その種を世界中の魔法使いや魔女たちに送りつけてくるという話。ちょっと意外な最後が好き~。
そして、「七つの魔法」では短編同士にあまり繋がりがなくてバラバラな印象もあったんですけど、「魔法の旅だち」には「七つの魔法」の時に出会った少年や、いばら姫のあの魔女が大きく絡んでくる話になってて、こちらは繋がりもシリーズらしくいい感じになってました。前作から15年ぶりの新作ということで、作中でも15年の月日が流れて、黒ばらさんも今や150歳。世の中の魔法ブームのせいで大忙しになってるうちに、なぜか上手く魔法が使えなくなってる黒ばらさん。今度は気づいたら時間の流れがおかしくなってたり、妖精の世界に入り込んでしまったりで、いばら姫の物語や妖精の取替え子の伝説が上手く絡められていて、前回よりもファンタジー度が高い作品。初登場のノームの少年も可愛かったし、こちらも面白かったです。ただ、黒ばらさんの魔法が不調な理由って、それだけだったんですね...。てっきりもっと何かあるのかと思っていたのに。その辺りだけはちょっぴり残念だったかな。(偕成社)

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