「語りかける花」志村ふくみ

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新聞や雑誌に連載されていた文章や、日記。染色家で人間国宝の志村ふくみさんの、「一生一色」に続く2番目のエッセイ集。

以前読んだ「一生一色」「色を奏でる」と重なる部分も多い分、それほど新鮮味はなかったんですが、やっぱりしみじみとした美しさを感じさせられる本でした~。前に読んだ2冊は梅や桜といった木から染める話が多かったように思うし、今回も群馬県水上の藤原中学校で桜を染めるエピソードがとても良かったんですが、こちらの本は野の花を摘んで染めるというエピソードも多かったのが印象的でした。それまでは邪魔もの扱いだった「からすのえんどう」が少し黄味がかった薄緑に染まり、すっかり見る目が変わってしまった話、げんのしょうこやれんげ草、よもぎなど様々な野草で染めた糸の群れは、野原そのもののの色合いになっている話、散歩の時に道端に咲いている花に呼ばれてみれば、それは曙草。日々小さな花の声にも気づき、その美しさを愛で、「色をいただく」気持ちがあればこそ、積み重ねられていくものもあるんでしょうね。
藤田千恵子さんによる解説の「本を読むのに資格は要らない。年齢、経験、能力も不問。...と思っていたけれど、そうだろうか。この『語りかける花』を読み進むうち、はたと思った。読む側にも力量がいるのではなかろうか、と」という言葉も印象に残ります。志村ふくみさんの文章は難解どころか、むしろとても読みやすいものなんですが、「読みやすい文章というのは、むしろ、危険なのだ。どんな宝がどこに潜んでいるのかわからないのに、速度が増してしまうからである」とのこと。私にとっては、読みやすければ読む速度が増すというものではないんですが... それでも言いたいことはすごくよく分かります。志村ふくみさんの文章は、しっかりと受け止めながら感じながら読みたいなあって思いますもん。(ちくま文庫)


+既読の志村ふくみ作品の感想+
「語りかける花」志村ふくみ
「ちよう、はたり」志村ふくみ
Livreに「一色一生」「色を奏でる」の感想があります)

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Commentaires(2)

四季さん、こんばんは。
桜の話は教科書で読んで以来、思い出深いです。
母子で書かれた本をトラバいたしました。
「しっかりと受け止めながら感じながら読みたい」というの、良く分かります~。

つなさん、こんにちは~。
わあ、桜の話は教科書にも載っていたんですか!
こういういい話が載ってるとは、教科書も侮れないですね。(笑)
トラバ、ありがとうございます。
母子で書いた本なんていうのもあるんですね。
「ペルシャ」という言葉に妙に反応してしまいます。(笑)
その本もいずれ読みたいです~。

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