「真昼のプリニウス」池澤夏樹

Catégories: /

 [amazon]
八王子にある大学の理学部の助教授をしている頼子は、その晩、日本橋にあるイタリア料理店に向かっていました。数日前、友人の1人が頼子の研究の話を聞きたがっていると弟の卓馬が電話してきたのです。その友人とは、広告関係の仕事をしている門田。門田は、利用者が電話をかけると、予め用意されている何千何万もの話のうちの1つが無作為に選ばれて受話器から流れるという新しい種類の電話サービス・システムを作ろうと考えており、話のバラエティを確保するためにも火山学を専門としている頼子の話も聞きたいというのです。

地に足が着いた生き方をしている頼子が、様々な人の影響を受けながら、自分自身の一歩を踏み出す物語、でしょうかー。彼女が研究している火山のマグマそのままに、彼女の内部では様々な思いが高温高圧で活動していて、普段は胸の奥深くに潜んでいるものの、ふとした瞬間にほとばしり出てきたりします。彼女の前に現れるのは、バブル時代にいかにもいただろうなっていう広告業界の門田や、かつての恋人で、今はメキシコの遺跡の写真を撮っているカメラマンの壮伍、易を扱う製薬会社の社長、そして大学時代の友人の息子・修介など。でも、製薬会社の社長の易の話が絡んでくるところは面白いなと思っし、最後に意味が分かる題名もいいなあと思ったんだけど... どうも男女ともみんな、なんていうか紋切り型のように感じられてしまいました。特に女性たち。これじゃあ、男性作家の描きがちな女性像なのでは? こういう会話を読みたくなくて、私は一時男性作家離れをしてたんですよぅ。...そのせいか今まで読んだ池澤作品に感じられたような魅力が、この作品ではあまり感じられませんでしたー。残念。(中公文庫)


+既読の池澤夏樹作品の感想+
「南の島のティオ」池澤夏樹
「スティル・ライフ」池澤夏樹
「真昼のプリニウス」池澤夏樹
「夏の朝の成層圏」池澤夏樹
「バビロンに行きて歌え」池澤夏樹
「神々の食」池澤夏樹

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「真昼のプリニウス」池澤夏樹 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.