「夏の朝の成層圏」池澤夏樹

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夜、マグロ漁船の後甲板で写真を撮ろうとしている時に、船尾に押し寄せた大きな波にさらわれて海に落ちた「ぼく」は、そのまま流され続け、やがて島に漂着。そこは珊瑚礁に囲まれた常夏の無人島。彼は椰子の実やマア、タロ芋を採り、バナナを食べ、雨水を貯め、貝や魚を採って生活することに。

池澤夏樹さんの長編デビューという作品。
思いがけないことから無人島暮らしをすることになった主人公は、生きていくことそのものが日々の目的となって、次第にその生活に充足感を覚えることになるんですけど、やがて現実の世界の人間と出会うことによって、生活が目的ではなく単なる手段に戻り、やっぱりまた文明へと戻っていく自分を感じるようになる... という話。(多分) 無人島で自給自足の生活を余儀なくされたからといって、それを必要以上に嘆くのではなく(絶望を感じた時期もあったと本人は言っていますが、それは読者には分からない部分)、文明批判や自然礼賛に走るのではなく、自然の中で送る日々の生活を淡々と描いているところが良かったな。でも、一度文明社会から完全に解き放たれてしまった主人公。再び文明社会に出会った時... どうなるんだろう?(中公文庫)


+既読の池澤夏樹作品の感想+
「南の島のティオ」池澤夏樹
「スティル・ライフ」池澤夏樹
「真昼のプリニウス」池澤夏樹
「夏の朝の成層圏」池澤夏樹
「バビロンに行きて歌え」池澤夏樹
「神々の食」池澤夏樹

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