「エマ」上下 ジェイン・オースティン

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ハイベリー村のハートフィールド屋敷に住む21歳のエマは、父親のウッドハウス氏と2人暮らし。ウッドハウス家はハイベリー村一番の名家で、そこのお嬢様のエマは美人で頭が良くて性格も良くて、しかもお金持ち。しかし最近、16年間ウッドハウス家に住み込んで家庭教師を勤め、エマの姉のような存在だったミス・テイラーがウェストン氏と結婚して家を出てしまい、父親ともども、ちょっぴり寂しい日々を送っていました。そんなある日、エマは1年前にハイベリー村の牧師となったエルトン氏の縁結びをしようと思いつきます。エルトン氏は美男子で、しかも好青年。そもそもミス・テイラーとウェストン氏のことも、エマが仲を取り持ったようなもの。エマは自分が結婚する気のない代わりに、人の縁結びをするのが大好きだったのです。エマはエルトン氏の相手として、近くの寄宿学校に預けられている17歳のハリエットに白羽の矢を当てることに。

「自負と偏見」(感想)を読んで以来の、ジェイン・オースティン作品。この「自負と偏見」もとても面白かったし、カレン・ジョイ・ファウラーの「ジェイン・オースティンの読書会」を読んだ時も(感想)、他のオースティン作品を読みたいと思ったはずなのに、結局そのまま...。いやあ、ようやく読めました! これも「自負と偏見」と同じように田舎の町を舞台にした物語。

主人公のエマは、人も羨む恵まれたお嬢様。でも傍目には欠点なんてまるでなさそうなエマも、まだ21歳。まだまだ世間も人生も知ってるとは言えません。何でも自分の思った通りに物事が進むと思い込んでるんですが、そうそううまくはいかないんですね。(彼女には身分至上主義な面もあるんだけど... これはこの時代ならではのものだから、仕方ないのかな)
本来頭がいいはずのエマも、この作品では他人の気持ちを早とちりしたり勘違いしたり、全然いいところなし。そのままいけば幸せになったはずのハリエットの結婚話をつぶして、彼女の気持ちを牧師のエルトン氏に向けたかと思えば、エルトン氏は実はハリエットなんて眼中になかったことが判明する始末。その後もエマの勘違いとはた迷惑な思い込みは続きます。この辺り、ジェイン・オースティンの書き方にあんまり容赦がないので、可笑しいながらも気の毒になってしまうほどなんですが... でもエマは自分の失敗をきちんと認めて、迷惑をかけた相手に謝ることのできる素直なお嬢さんだから、読んでて憎めないんですよね。困ったちゃんのはずなのに、可愛いんです。それに今の時代にもいかにもいそうな嫌らし~い人たちも登場したりなんかして... いやあ、楽しかったです。「自負と偏見」同様、全然古さを感じさせなくて、いい意味でのクラシックさを感じられる作品でした~。(ちくま文庫)


+既読のジェイン・オースティン作品の感想+
「自負と偏見」オースチン
「エマ」上下 ジェイン・オースティン
「分別と多感」ジェイン・オースティン
「マンスフィールド・パーク」ジェイン・オースティン
「ジェイン・オースティンの手紙」ジェイン・オースティン
「説きふせられて」ジェーン・オースティン
「ノーサンガー・アベイ」ジェーン・オースティン

+既読のジェイン・オースティン関連作品の感想+
「ジェイン・オースティンの読書会」カレン・ジョイ・ファウラー

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Commentaires(4)

こんにちは。
『エマ』懐かしいですねー。
ちょうどヴィクトリア朝にはまったころに乱読した本の一冊です。
改めて読むとまた違った感慨があるかもしれません。
最近は20世紀初頭を舞台にしたP.G.ウッドハウスの≪ジーヴス≫シリーズにはまっています。
英国流諧謔小説といった趣で楽しいですよ。
お人好しのバーティーと有能すぎる執事ジーヴスのやり取りが最高なのです。
国書刊行会から順次邦訳中で現在は8冊刊行されています。
少々お高いので図書館で探すことをまずはお勧めします。
自分はそのうち買ってしまいましたが(苦笑)。

それから『エマ』といえば,漫画ですが森薫『エマ』をお勧めします。
ヴィクトリア朝ロンドンを舞台にした恋愛漫画。
これが本当に面白いのです。
何よりもヴィクトリア朝の文化や風俗の時代考証が素晴らしい。
本篇も面白いのですが,それ以上に背景に惹かれてしまいます。
こちらも是非とも。
四季さんもきっとお気に召される作品だと思いますよー。

森山さん、こんにちは!
おおー、「エマ」懐かしいですか。
私は初読なんですが、「自負と偏見」に勝るとも劣らず面白かったです。
この時代の良さが出てる作品ですね。
あ、ジーヴスシリーズも面白いらしいですねー。
実は図書館で本を見るたびに気になってるんですが、まだ借りるところまでは至らず…
でもいずれ読んでみたいです。
有能な執事というと、アシモフの「黒後家蜘蛛の会」を思い出すんですが
あんな感じなのでしょうか?

漫画はほとんど読まないので、森薫さんという方の名前も初耳でしたが
「エマ」というと、ジェイン・オースティンの小説の漫画化…?
と思ったんですが、どうやら全然違うようですね。
アマゾンを検索してみたら、いきなりメイドさん服が出てきました。(笑)
ヴィクトリア朝の時代考証がそんなに素晴らしいだなんて
まるで中国物の皇なつきさんみたいですね。(笑)
オススメありがとうございます。機会があれば読んでみたいです。

>有能な執事
『黒後家蜘蛛の会』のヘンリーとか≪ピーター卿の事件簿≫のバンターとか,
あんな雰囲気と思っていただければ問題はないかと。
ただ,もう少し性格が悪いような気もします。
案外主人に対して辛辣なんですよね。
でも愛情たっぷりでそこが魅力でもあります。

おおー、やっぱりあんな感じですか。
性格が悪いというのは、いかにもイギリス的と言えなくもないような。(笑)
辛辣なことを言いつつも、その根っこには愛情たっぷりっていいですね。
やっぱり面白そう。いずれ読んでみようと思います。
ありがとうございます!

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