「エツコとハリメ」新藤悦子

Catégories: /

[amazon]
会社を辞めて、学生時代に行ったトルコに再び渡った新藤悦子さん。男性がいない時のイスラムの女性の大らかで人懐こい素顔、魅力的な笑顔に惹かれた新藤さんは、彼女たちの日常が知りたくなります。村に長く滞在するためには、カモフラージュのために絨毯の織り方を習うことだと考えた新藤さんは、カッパドキアのギョレメ村のハリメという女性を紹介してもらうことに。

絨毯を織ることを教えてくれる女性がようやく見つかったかと思えば、あくまでも草木染めがやりたい新藤悦子さんに対してハリメの言葉は「知るもんかい。草木染めだなんて」というもの。彼女たちも一応自分の手で糸を染めてはいるんですけど、安価でよく染まって綺麗な化学染料しか使ってないんですね。しかも羊毛を自分の手で紡ぐことを考えていた新藤さんに対して、ハリメは町の糸屋で工場産の糸を買うことを主張。ピュア・ウールを主張する新藤さんに対して、村中の女性たちが、経糸には毛よりも綿の方が安いし織るのも簡単だと説得しようとする始末。何とか糸を用意して、草木染めをする準備をしても、新藤さんは何度もハリメに約束をすっぽかされるし、絨毯を織る作業に入る前から問題だらけ。
49歳のハリメは、13歳、7歳、5歳の3人の娘と一緒に暮らしている未亡人。長女は既に嫁いでいて、長男は町に働きに出ているんですけど、長男の仕送りではとても食べていける状態じゃないので、現金収入がどうしても必要なんですね。だから貴重な現金収入になる畑仕事やパン焼きを頼まれると朝から出かけてしまう。そんなことが徐々に分かってくるにつれて、新藤さんは徐々に村に馴染んでいきます。
絨毯を織るということがまず中心にあるんですけど、トルコの女性の日常、特に恋愛・結婚事情についての話も面白かったです。とても印象的だったのは、フランス人の女性観光客にせっかくあげた梨を食べてもらえずにがっかりしたハリメの娘たちが、それでも外国人観光客は「綺麗だから」好きだと言う場面。新藤さんにとってみれば、そんな少女たちこそが「綺麗」なのですが...。それとアルファベットやカタカナの文字を見た時の「コーランの文字(アラビア文字)と違ってデザインみたい」というのもハリメの言葉も。私にしてみたら、アラビア文字の方が余程装飾的に見えるのに! 確かにカタカナは絨毯に織り込みやすいと思いますけどね。文字が読めないハリメにとってもそうなんじゃないかと勝手に思ってたんですけど、そうでもないんですねえ。
右のは絵本。今回私は読んでないんですけど、基本的には同じみたいですね。絵や写真があるんなら、あわせて読むのもいいかも~。(情報センター出版局)


+既読の新藤悦子作品の感想+
「空とぶじゅうたん」1・2 新藤悦子・こみねゆら
「青いチューリップ」「青いチューリップ、永遠に」新藤悦子
「エツコとハリメ」新藤悦子
「トルコ 風の旅」「イスタンブールの目」新藤悦子
「時をわたるキャラバン」新藤悦子
「羊飼いの口笛が聴こえる」新藤悦子
「チャドルの下から見たホメイニの国」新藤悦子

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「エツコとハリメ」新藤悦子 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.