「神々の食」池澤夏樹

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豆腐、かまぼこ、泡盛。豚、ビール... 1973年に初めて沖縄に行って以来、沖縄に強く惹かれてしまった池澤夏樹さんは、旧南西航空の機内誌に食材をテーマにした連載を執筆しているうちに、ご自身が沖縄に移住、10年間住み続けてしまったのだそう。食べるものはそのまま文化だという池澤さん。本土とは異なる沖縄ならではの食と文化の魅力を、35種類の食材を通して、同じように沖縄に移住したカメラマン・垂見健吾さんの写真と共に紹介する本。

んん~、美味しそう! 「まるで大豆畑にごろりと寝て、全身にその精気を吸い込んでいるような気分になった」豆腐とか、「出来立ては本当においしいもので、一切れもらって口に含んで噛むと頭がくらくらするほど」のかまぼこ。「飲むというよりは口の中をこの特別な液体で濡らすという感じ」の泡盛。ものすごい労力をかけたからといって美味しくなるものではないし、池澤さんご自身も書いているように「機械を使わないからできた製品がうまいと信じるほど単純ではない」けれど、それでもやっぱり圧倒的に美味しそうです。これは池澤さんの表現力もあるでしょうし、写真の良さもあるでしょうし、自分が沖縄に行った時の体験もあるでしょうけど... 作り手の働きぶりの美しさというのも影響してるのかも。紹介される「食」の背後に見えてくる人々の姿やその生活もすごく魅力的なんです。
食べることは、生きていく上での基本。そんな当たり前のことを思い出させてくれる本ですね。昔は今に比べると「食べること」がもっと真剣な行動だったはずだし、他の人と食べ物を分け合うことは、人との絆を作る上で欠かせないことであったはず。そして食べるために他の生き物を殺した時は、常に自然の恵みに感謝して全てを無駄なく食べ、使い切る... そういった原点の力強さが感じられる本でした。(文春文庫)


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「神々の食」池澤夏樹

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