「時をわたるキャラバン」新藤悦子

Catégories: / / /

 [amazon]
ある6月の雨の日。仕事途中に立ち寄った青山のギャラリーの扉を押し開けた途端、思いがけない芳香に鼻をくすぐられて驚く友香。それは人間ではなく、ギャラリー奥の壁にかけてある小さな布裂から漂ってくる匂いでした。その週、ギャラリーではトルコの染織をテーマに絨毯やキリムを展示していたのです。その芳香に引き寄せられるように友香は毎日のようにギャラリーを訪れ、その布裂が13世紀のコンヤ地方の村で作られた貴重なトルコ絨毯だと知ることに。そして「匂いは、追わないと消えますよ」というオーナーの言葉に後押しされるように、友香はいい匂いのする絨毯を探しにイスタンブルへ...。

匂いがポイントになるという時点で、実はちょっと引きそうになりましたが... パトリック・ジュースキントの「香水 ある人殺しの物語」(感想)を読んだ時は全然そんなことなかったのに、なんでだろう? 体調の違い?(今、ひどい風邪をひきそうなところを一歩手前で踏みとどまってるような、イヤんな感じがあるのです) 読んでみれば結構面白かったです。芳香を放つ絨毯を探して旅をする物語。現代のイスタンブルから、13世紀のビザンティン帝国の首都・コンスタンティノポリスまで行くことになるという、タイムトラベル物でもあります。
トルコに何度も滞在している新藤悦子さんならではの現在や昔のトルコの描写や絨毯の話もたっぷり。トルコのルーム・セルジューク朝の最盛期を築いたスルタン・ケイクバードと、ニカイア帝国の「千の耳」テオドータの恋を通してトルコの歴史的な一面をも見ることもできて、雰囲気もたっぷり。もっとこの辺りの歴史的な小説を色々と読んでみたいな。(東京書籍)


+既読の新藤悦子作品の感想+
「空とぶじゅうたん」1・2 新藤悦子・こみねゆら
「青いチューリップ」「青いチューリップ、永遠に」新藤悦子
「エツコとハリメ」新藤悦子
「トルコ 風の旅」「イスタンブールの目」新藤悦子
「時をわたるキャラバン」新藤悦子
「羊飼いの口笛が聴こえる」新藤悦子
「チャドルの下から見たホメイニの国」新藤悦子

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「時をわたるキャラバン」新藤悦子 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.