「マハーバーラタ ナラ王物語 ダマヤンティー姫の数奇な生涯」

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プリハドアシュヴァ仙が語り始めたのは、ナラ王とダマヤンティー姫の物語。ニシァダ国のナラ王子は眉目秀麗で逞しく、望ましい美質を全て具えている王子。ヴィダルバ国の珠玉のように麗しく光り輝くダマヤンティー姫のことを耳にするうちに、ダマヤンティー姫に恋をするようになり、金色のハンサ鳥の助けを得て、大インドラ神、アグニ神、ヴァルナ神、ヤマ神らを差し置いて、ダマヤンティー姫と結婚することに。しかしそれを快く思わなかったカリ魔王は、いまや王となったナラ王に取り憑き、賽子賭博によって王権も財産も全て失わせてしまうのです。ナラ王に残ったのは、何も言わずに付き従うダマヤンティー妃のみ。しかし未だカリ魔王に取り憑かれていたナラ王は、森の中でダマヤンティー妃を置き去りにして1人去って行ってしまい...。

古代インドの大叙事詩「マハーバーラタ」の中の一節。ナラ王と同じよう王国喪失を嘆く王子たちに向かって、ブリハドアシュヴァ仙が語ったという物語です。でも基本的に英雄詩である「マハーバーラタ」とは少し趣きが違うところ、ダマヤンティー姫の婿選びの式の場面の描写、シヴァ神、ヴィシュヌ神が登場していないところなどから、「マハーバーラタ」成立以前、紀元前6世紀頃から存在して、後に叙事詩に組み込まれた作品と考えられているようです。...「マハーバーラタ」も通して読みたいんですが、長いので本を揃えるのも大変でなかなか。こうやってちょっとずつ切り崩していこうとは思ってるんですが。(笑)
表向きの主人公はナラ王かもしれませんが、実質はダマヤンティー姫なんでしょうね。カリ魔王のせいで正気を失っているナラ王に捨てられて、身の危険をすんでのところでかわしながら、夫への愛を貫き通して、最後には夫を取り戻す物語。生き生きとしているダマヤンティー姫に比べると、ナラ王は正直あんまり生彩がないようです。いくらハンサムだとか何だとか言っても、ちゃんと行動で示してくれないと伝わってこないですよぅ。そうでなくても、美人だと噂に聞くだけで、まだ顔も見たことのないダマヤンティー姫に恋しちゃうような人なんですから。しかも、求婚するにも鳥に助けてもらってるし! ...でも、相手が美人だとかハンサムだとかいうだけで恋をしてしまうのは、この辺りでは当たり前のことみたいですね。中身はどうでもいいのか、中身は!(岩波文庫)


+インド神話関連作品の感想+
「屍鬼二十五話 インド伝奇集」ソーマデーヴァ
「ラーマーヤナ」上下 ヴァールミーキ
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Commentaires(2)

んはは、ペルシャ系でもそういう話がありましたっけ??<顔だけ噂だけ
ある意味、幸せなのかもしれませんが、やっぱり「中身はどうした!中身は!?」と思いますよねー。笑
”望ましい美質”などにこだわるのも特徴なんでしょうか…。

美男美女だという噂だけで恋してしまうといえば、
「ペルシアの四つの物語」に載ってた「ホスローとシーリーン」もそうですねー。
あと、記事でもリンクを貼ってるんですが、「屍鬼二十五話」なんかでも
ほんと相手が美男美女だからと恋に落ちる人がテンコモリ…

日本だと「美人は性格が悪い」なんて言われることもありますが
この辺りは、美人=性格◎ ってことなんですね。
でも普通ね、いくら美人が好きだからと言っても、好みってあるでしょう?
これはインドだから、肌の色も髪の色もそれほどバリエーションがないのかもですが
西洋だったら、金髪がいいとか黒髪がいいとか青い目とか茶色の目とか。
それ以外でも、たとえばスレンダータイプが好きとかナイスバディがいいとか。
男性でもクールな頭脳派がいいとかホットな行動派タイプがいいとか。
そういうのは全然問題にならないんですかねえ?(笑)
結婚した後で、性格の不一致が発覚するケースも多そうです。(笑)

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