「中国雑話 中国的思想」酒見賢一

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NHKのラジオ中国語講座に1年半に渡って連載したという「中国古今人物論」を加筆修正したもの。「劉備」「仙人」「関羽」「易的世界」「孫子」「李衛公問対」「中国拳法」「王向斎」の8章に分けて、「中国」というキーワードのみで興味に任せて綴っていった、中国に関する「雑多な読み物」。

最初は人物伝でいくつもりだったらしくて、三国志で有名な「劉備」に始まり、その後も「仙人」や「関羽」とくるんですが、ふと気がつけば、話は易や兵法、そして拳法へ... 一読した印象は雑多というよりも何というよりも「アンバランス」でした。でもね、人物伝で通してもおそらく面白い読み物になったとは思うし、実際、関羽が理想的な神さまになってしまう話なんかも面白かったんですけど、この辺りはどちらかといえば、不特定多数の読者のために広く浅く読みやすい物を書いたという感じ。それよりも本文の半分近くを占めている「中国拳法」と「王向斎」の章がやけにマニアックで面白かった! 中国拳法に特化してしまうと、ラジオ講座の連載にはあんまり相応しくないかもしれないですけど、これだけで1冊書いてしまっても良かったのでは? なんて思ってしまうほど。やっぱりこの方は、あんまり型にはめたようなことをしない方が力を発揮するタイプの作家さんなんでしょうねー。しかもこの「中国拳法」や「王向斎」の章は、そのまま小説のネタになりそうなエピソードがいっぱい。いつか本当に小説で読める日が来るのかも?(笑)
あと私が気になったのは、「李衛公問対」。これは唐の時代に李世民(太宗皇帝)とその重臣・李靖が対談したという体裁の兵法書なんですけど、実際には兵法オタクが書いた本らしいです。そういう存在って、いつの時代にでもあるものなんですねー。諸葛亮のあの計略は実際にはどんなものだったんだ...?みたいなやり取りもあったみたい。ちょっと読んでみたくなっちゃいました。(文春新書)


+既読の酒見賢一作品の感想+
「陋巷に在り」1・2 酒見賢一
「陋巷に在り」3・4 酒見賢一
「陋巷に在り」5・6 酒見賢一
「陋巷に在り」7・8 酒見賢一
「陋巷に在り」9・10 酒見賢一
「陋巷に在り」11・12 酒見賢一
「陋巷に在り」13 酒見賢一
「語り手の事情」酒見賢一
「聖母の部隊」酒見賢一
「ピュタゴラスの旅」酒見賢一
「泣き虫弱虫諸葛孔明」酒見賢一
「中国雑話 中国的思想」酒見賢一
Livreに「後宮小説」「墨攻」「童貞」「周公旦」の感想があります)

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Commentaires(2)

どうも、こんにちは!
レビューを読んでいるだけでも、とてもわくわくしてしまいました。(笑)
というわけで、早速通販で申し込んでしまいました・・・。
中国物を最近読んでいないので、何だか久々です。
小説よりも、こういう小ネタ的な感じのものが読みたい気分だったので、まさにちょうど良いです。
今から届くのが楽しみです♪

遼さん、こんにちは~。
「アンバランス」なんて書いてしまってるのに
わくわくされてしまいましたか…!(笑)
でもほんと、酒見さんの小説を読んでいていつも思うんですが
ややこしくて、本来なら説明するのに一苦労しそうな事でも
さらっと、しかも面白く読ませてくれちゃうでしょう?
その辺り、やっぱり凄いなって思いました。
…ただ、本1冊としてのまとまりはあまりないので
通読するよりも、パラパラと拾い読みの方が正しいかもです。(笑)

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