「ジェイン・オースティンの手紙」ジェイン・オースティン

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「自負と偏見」や「エマ」などの作品群で、一貫して18世紀の上中流(アッパーミドルクラス)の人々を描き続けたジェイン・オースティン。そんなジェイン・オースティンが親しかった姉・キャサンドラなどに送った書簡集。

この本を読むと、ジェイン・オースティンって筆まめだったんだなあと思っちゃうんですけど、これでもかなりの数が失われてしまっているのだそう。姉のキャサンドラは晩年ジェインの手紙を読み返して、人の目に触れて欲しくない手紙を燃やし(姪のキャロラインの回想では「その大部分を燃やし」と表現されているとのこと)、残したものでも不適当と感じた箇所は切り取ってしまったのだそうです。なんてこと! でもその頃はイギリスもヴィクトリア朝に入っていて、すっかりお堅い雰囲気になっていたでしょうしね。ジェインの若い頃(ジョージ3世時代)の自由闊達な雰囲気は既にあまりなかったでしょうし... まあ、気持ちは分からないでもないです。読めないのは残念ですが、残っている手紙だけでも当時の中流階級の人々の日々の暮らしが分かって楽しいんだから良しとしなくては。ちなみに当時の手紙は今の電話のような感覚とありましたが... むしろメール感覚ですかね?

そして一読しての印象は、意外と辛辣なことを書いているということ。特に「綺麗で軽薄な蝶々?」と題された20代の手紙を集めた第1章での

シャーボーンのホール夫人は、予定日の数週間前に死産してしまいました。何かショックを受けたからだということです。うっかり夫の姿を見てしまったのでしょう。

このくだりにビックリ。ひえー、凄いこと言いますね。ここまでキツいブラックユーモアは他の手紙には見当たらなかったので、キャサンドラが燃やしたり切り取ったりした手紙には、こういった類のことが多かったのかも。こういうことを書く人だったのかあ。
作品の中では一貫して「品」にこだわり続けたジェイン・オースティンですが、作中でほとんど全部の登場人物たちの欠点をさらけ出しているように、手紙でも辛辣な人物観察は留まるところを知らなかったようです。そして、ジェイン・オースティンの素顔は、どうやら「マンスフィールド・パーク」のファニーのような、あるいは「分別と多感」の姉のエリナーのようなタイプではなくて、恋をした時はむしろエリナーの妹のマリアンタイプ。「エマ」の主人公・エマような早とちりも多かったんじゃないかしらと思うんですが、一番近いのは、やっぱり「自負と偏見」のエリザベス? この本の前に読んだのが「マンスフィールド・パーク」だったので、どうもそのイメージが強いんですけど、やっぱりあんな地味なタイプではないですよね。(笑) 完全無欠ではないからこその茶目っ気が可愛らしいです。(岩波文庫)


+既読のジェイン・オースティン作品の感想+
「自負と偏見」オースチン
「エマ」上下 ジェイン・オースティン
「分別と多感」ジェイン・オースティン
「マンスフィールド・パーク」ジェイン・オースティン
「ジェイン・オースティンの手紙」ジェイン・オースティン
「説きふせられて」ジェーン・オースティン
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+既読のジェイン・オースティン関連作品の感想+
「ジェイン・オースティンの読書会」カレン・ジョイ・ファウラー

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