「バガヴァッド・ギーター」「バガヴァッド・ギーターの世界」上村勝彦

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ヒンドゥー教の代表的な聖典と言われる「バガヴァット・ギーター」は、「マハーバーラタ」の中に収められている神の歌。「マハーバーラタ」の第6巻に収められていて、宗教上特に重視されている箇所なのだそう。先日読んだ「ナラ王物語」は、確か「マハーバーラタ」の3巻辺りだったはず... 全18巻の「マハーバーラタ」をちょっとずつ切り崩す計画は着々と進行中です。(笑)
...とは言ってもこの「バガヴァッド・ギーター」、私はつい最近まで知らなかったのです。知ったのは、前回のたら本41回「私家版・ポケットの名言」で、AZ::Blog はんなりとあずき色のoverQさんが挙げてらしたから。(記事) 挙げてらした文章がかっこ良かったから。(そういう理由か!)

万物の夜において、自己を制する聖者は目覚める。万物が目覚める時、それは見つつある聖者の夜である。

ねね、かっこいいでしょう?
で、岩波文庫からその名もずばりの訳本が出てるんですけど、難しそうなので、上村勝彦さんの解説本を一緒に読むことにしたんですが... やっぱり難しかった。ちょっと気が緩むと文字を目が追ってるだけの状態になってしまうので、何度も繰り返して読んでしまいましたよ。

ええと、ものすごく簡単に言うと、「マハーバーラタ」とはバラタ王族の歴史を描いた叙事詩。そしてその中の「バガヴァッド・ギーター」は、内部分裂によって王族同士の戦争となってしまった時に、親族や師や友人を殺してまで勝っても虚しい... とやる気を失ってしまったアルジュナ王子に、クリシュナ神の生まれ変わりの人物が「それは違う」と諭す物語なんです。
面白いところがいくつか。たとえばヒンドゥー教では苦行を全然オススメしてないところとか。「バガヴァッド・ギーター」では、食事の面でも睡眠の面でも調和の取れた生活をして、心身共に健康を保つことがとても大切なんだそうです。どうも心身をいじめて極限状態にしてそれに耐えるというイメージがあったので、ちょっと意外でした。インドの行者といえば、大抵ガリガリに痩せているからでしょうか。(という絵が多いのかも) 滅多に人のしない苦行なんかをすると周囲にもてはやされるし、どうしてもそれを自慢に思う気持ちが出てきてしまいがちなので、逆効果なのだそう。釈尊自身、激しい苦行をした後でそれが無益だと気づいて、苦行を捨てたそうですしね。瞑想に入って悟りを開いたのはその後。それと、ヒンドゥー教ではあんまり早く修行を始めるのも推奨されていないということ。まずは勉学に励み、結婚して家長としての義務を果たし、孫ができる頃に森林に隠遁して、最後に聖地巡礼をして死ぬ、というのが理想なんだそうです。

そして上に引用した文は、第2章の文章。文字通りでいけば、「万物が眠っているとき聖者は目覚め、万物が目覚めているとき聖者は眠る」という意味だそうですが... 愚者は目や耳といった感覚器官によって対象を認識するし、その感覚に執着するけれど、聖者はそういった感覚を制御して、非常に静寂な瞑想状態の中で真理を知ろうとする、すなわち愚者と聖者の行動は正反対である、ということを暗示しているのだそうです。やっぱり難しーい。でも、面白かったです。(岩波文庫・ちくま学芸文庫)

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