「雨天炎天」村上春樹

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ギリシャ編とトルコ編に分かれている旅行記。ギリシャで訪れているのは、女人禁制のギリシャ正教の聖なる地・アトス。かつては異教徒に支配されていたというアトスですが、聖母マリアが海岸に足を下ろした瞬間に全ての偶像は砕け散り、それ以来聖母マリアはこの地を聖なる庭と定め、女性の立ち入りを永遠に禁じたのだそうです。最盛期には40の修道院に約2万人の修道僧たちがいたそうですが、今も20の修道院で約2千人の僧たちが質素な自給自足生活を送りながら厳しい修行を積んでいるのだそう。そしてトルコ編は、最初は普通にイスタンブールに始まるんですが、もっぱら三菱パジェロに乗って、トルコの国境付近を時計回りに一周したという旅行記。どちらの旅行も、同行者はカメラマンの松村映三さん。(文庫にはほとんど写真は載ってないのだけど)

旅行記もいくつか読みましたけど、これほど体感温度の低い旅行記って初めてかも... 温度も低ければ内容も薄いように思えちゃうんですけど、どうなんでしょう。特にトルコでの旅行に関しては、村上春樹さんは終始疲れているようで愚痴だらけ。不愉快になったというエピソードばかり。トルコ料理も全然合わなかったようだし、そもそも一体なんでトルコに、それも辺境地帯になんて行こうと思ったの?と不思議になってしまうほどでした。態度の悪い従業員のいたホテルの名前を全部出しているところなんかも、もし名前を出しておかなかったらきっと後で何度も聞かれることになって鬱陶しいんでしょうけど、情報を正しく伝えるというよりも、まるで仕返しをしているように感じられてしまうー。観光客があまり訪れない「辺境」に敢えて「行った」という行動自体に、満足して終わっているように思えます。意地悪な見方をすれば、単なる辺境コレクターみたい。
ギリシャのアトスに関しても、それぞれの修道院でもらったパンが美味しかったとか不味かったとか、そんなのばかり。そもそも宗教的な知識も関心もないんだったら、なんでアトスに行きたかったんでしょう? 一応説明らしき文章はあったんだけど、もっと納得させて欲しかったし、そうでなければ単なる覗き見趣味みたいに感じられちゃう。それに特別に許可を取ってそういう場所を訪れるからには、事前にもう少し勉強してから臨むのが礼儀なのではないかと...。まあ、こちらの方は私自身まるで知らない場所だったこともあって、まだ興味深く読めたんですけどね。(新潮文庫)


+既読の村上春樹作品の感想+
「海辺のカフカ」上下 村上春樹
「雨天炎天」村上春樹
Livreに「村上ラヂオ」の感想があります)

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Commentaires(4)

わあ。
雨天炎天だあ^^
>体感温度の低い旅行記
あはは、ほんとその通りですね。
僕はそういうのが逆に新鮮でした。
日本と海外。日常と非日常。
という図式が旅行記では一般的な気がしますが、この人、海外も日常的な視線で捉えていて、場所は変われど人物は変わらず、という定点観測ならぬ定人観測って
感じで面白かったです。
村上春樹の旅行記ならばやはり『遠い太鼓』が好みです。僕も雨天炎天は内容がちょっと薄かったかなあって感じで物足りなかったのですが、こちらははまりました^^

kyokyomさんも読まれていたのですね~。
でもこの本は、私はどうもあんまり楽しめませんでした。
定人観測もいいんですけど、ある程度は「郷に入れば郷に従え」も欲しい…
というよりアレですね、村上春樹さん自身が楽しんでないのが何とも。
んんー、それだけというわけでもないなあ。
たとえ本人が楽しんでなかったとしても、「読める」旅行記ならまだしも
やっぱりこれは内容が薄すぎるのが一番の問題かしら。
「それでも村上春樹の本だから買うでしょ?」って言われてるような気がして
それも癪の種だったというか。(笑)

「遠い太鼓」は、私も楽しかったんですけどねえ。
随分前に読んだっきりですが、あのイメージが結構強く残ってたみたいです。(^^ゞ

御免なさいね。
あなた、トルコに行ったこと無いでしょ。

私は思わず「あぁ」って溜息をついちゃいました。

この旅「トルコ→ギリシャ」ですよね。

普通の人、「トルコ」で激怒して、旅の印象も何も無いですから。

「トルコ」
最低の糞の国です。村上さんは異常なまでの「紳士」です。

犯罪(カッパライ、強盗、スリ)が多いのは我慢します。
しかし、この糞どもは延々、日本人と見ると嫌がらせをするのです。
こんな国、世界中にありません。
ただ道を歩いているだけで、ワザワザついてきて延々嫌がらせをします。

「トルコ大好きニホン女」っていますよね、そういう「人種」も日本人旅行者に嫌がらせします。
その手のが、ずっと一緒について来るのです。「左右バイリンガル」で不快な言葉を言うためにね。
「不快な言葉」ってあなたは判らないでしょ。教えてあげます。

自分の母親を「便器」って呼ばれたんだよ!!
トルコに個人旅行に行った人は全員言われているんだよ!!

わかったか!!

村上さんは信じられないほど「善人」の「紳士」なんだよ。無理して抑えてるんだよ。
解ったか!!

ホテル??はぁ~??
言うに及ばず。

少しは「実情」調べてから書くんだね。

どうせあんたは日本から一歩もでないで「OH!日本人悪いで~~す」なんていう自虐視点からトルコ崇拝してるんだろうね。

村上氏は偉いよ。

早起き鳥さん、はじめまして。
何か勘違いされてるようですが、私は読んだ本の感想を書いているだけです。
>少しは「実情」調べてから書くんだね。
なんて書かれても~。(笑)

イヤな思いをされたというのは、とってもお気の毒ですが
他人のブログにこんな書き込みをする前に、ご自分のところで書いたらいかがですか?
まあ、これを読んだ時点で、こんな書き込みをするような人だったら… と思う人も
少なからずいるのではないかと思いますが。

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