「お隣の魔法使い」1~3 篠崎砂美

Catégories: / /

   [amazon] [amazon] [amazon]
メアリー・フィールズが久々の家族旅行から帰ってみると、隣の空き地にはいつの間にか真新しい家が。引っ越してきたのは、トゥックトゥイックという細身長身の若い青年でした。丈の短い変わったローブを着た彼は、外国の風習を真似てみたと「引越しパスタ」を持ってメアリーの家を訪れます。そして翌日、ママ特製のサンドイッチを持たされたメアリーは、引越しの手伝いをしにお隣の家へ。しかし片付けも一通り終わり、ウッドデッキで美味しい紅茶をご馳走になりながらサンドイッチを食べていると、なんとティーポットから電話の呼び出し音が...。

風待屋のsa-ki さんに教えて頂いた本です。トゥックトゥイックさんという青年(通称ツクツクさん)と、お隣の家に住むメアリーのシリーズ。
いやあ、可愛かった! 普通ならあり得ないような不思議な出来事はいっぱいあるし、魔法の匂いはぷんぷんしてるんだけど、決定的な魔法の場面はないんですね。ツクツクさんが魔法を使ったという証拠はどこにもないし、問い詰めようにも、メアリーはいつもうまくかわされてしまうし。この辺り、ちょっと「メアリー・ポピンズ」を思い出します。ジェインやマイケルも、あんなに不思議な時間をメアリー・ポピンズと共有してても、そのことをメアリー・ポピンズが後から認めることなんて絶対ないですし。とは言っても、ツクツクさんはあんな不機嫌なタイプじゃないし、いつもしどろもどろと自分のせいじゃないと主張してるんですが。(笑) 本人が特別魔法を使わなくても、面白い知り合いがいっぱいいるというところも、そういえば「メアリー・ポピンズ」と同じですね。でも最初こそ、そういった不思議な出来事がただの偶然なのか本当に魔法か突き止めようと意気込むメアリーなんですが、そのうちにそういった出来事を自然と受け入れるようになるのが、またいいんですよね~。
そして「メアリー・ポピンズ」以上に色濃く感じられたのが、ルイス・キャロルのアリスの世界。こちらはもう、白ウサギとかチェスの駒とか、アリスを連想しない方が無理というぐらいなんですが、それもそのはず、篠崎砂美さんの原点はあのアリスの世界なんだそうです。道理で! でもアリスに寄りかかりすぎてるわけでもなく、丁度いい距離感。

3冊で3年間の話になってるんですけど、ツクツクさんのメアリーに対する呼び方なんかで、2人の距離が少しずつ近くなってるのが分かるというのもいい感じ。3冊とも一応四季ごとの4章に分かれてるんですが、4つの連作短編集というより、もっと小さなエピソードがいっぱい集まってできてる感じです。sa-ki さんが3冊目の感想で、春の風物詩の「渡り猫」とか、春を数える単位にやられたと書いてらして、それで興味をそそられたんですが、これがもう本当に可愛くて! ノックアウトされてしまいました。午後の明るい日差しの中で美味しい紅茶の香りと一緒に楽しみたい、ほんのり和める暖かい作品。4巻も早く出ないかな~。(GA文庫)

| | commentaire(4) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「お隣の魔法使い」1~3 篠崎砂美 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

Commentaires(4)

気に入っていただけて嬉しいです(^^)
このシリーズは児童書にしてもいいくらい、
良質のファンタジーだと思ってるので。
GA文庫はなかなか侮れない作品を扱ってるんですよ。
(花田一三六さんの戦塵外史シリーズとか)

あ、「メアリー・ポピンズ」!
ほんとだ、言われてみれば確かにそうですね。
だから、語り手の名前がメアリーなのかも。
「アリス」な雰囲気も効いてますよね~。
そこに、和のテイストが不思議アイテムとして
加わってくるのも楽しいし。
毎回のラストの趣向も、
1作目のちょっとしたどんでん返しっぽいところも大好き。

ところで、ひとつお願いがあるのですが。
サイト名が昔の名前なので、直していただけると嬉しいです。

sa-kiっち、素敵な本を教えて下さって感謝感謝です。
ほんと、このまま児童書にしちゃってもいいぐらいですね。
でもそうなると、このイラストがなくなっちゃうでしょうから
それもちょっと残念な気がしますが~。
GA文庫は初めて手に取ったんですが、なかなか面白い作品がありそうですね。
(花田一三六さんの戦塵外史シリーズですね… φ(.. )メモメモ)

ねね、メアリー・ポピンズっぽい雰囲気もありますよね。
でも同じ「メアリー」だから、感想が書きにくくて困っちゃう。(笑)
となると、やっぱりこの話はヨーロッパ系だったのでしょうかー。というか、イギリス系?
家の描写やメアリーの造形から、最初はアメリカかなあと思いながら読んでたんですけど…
ええと、これに関しては特に何も書かれてなかったですよね?

サイト名、本当だ! うわあ、何てこと。早速直しました。
私ったら、何にも考えずに書いちゃってましたよ。
本当にごめんなさいです~。

早速直していただいて、ありがとうございます。
変更してから日が浅いから、前の名前の印象が残ってますよね。
私自身、ブログ名と新旧のサイト名がごちゃまぜになって、
一瞬分からなくなることがあるんです(^^ゞ

この小説の舞台、作中では特に触れてませんね。
私はイギリスかイギリス系のパラレルワールドだと思って読んでましたよ。
お茶を飲む習慣があるし、
ルイス・キャロルはイギリス人なので。
これだけでは、根拠としては薄いかもしれませんが。

案外前の名前の影響が強く残ってるものですねー。
今の名前、すっごく素敵だしよく似合ってると思ってるのにぃ。

そっか、sa-ki っちは最初からイギリス系と思ってらしたんですね。
うんうん、やっぱり紅茶となるとまずイギリスですよねえ。しかもアリス。
同じ物を読んでいながら、全然違うなんて。(笑)
ええとね、最初にメアリーが花壇を跳び越してツクツクさんの家の庭に入るでしょう?
あそこでアメリカの家を想像してしまったんです、私。
イギリスの方が、家と家との間に塀がきちんとありそうなイメージだから…
アメリカはほら、新聞配達の少年が自転車に乗ったまま新聞を庭に投げていくような
あんまり隣の家との境目がないイメージが…
ああいう前庭だったら、露天商のおじさんもお店を広げやすいですし。(笑)
って、これこそイメージばっかりで根拠が薄いですね。(笑)

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.