「君のためなら千回でも」上下 カーレド・ホッセイニ
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2001年夏。サンフランシスコに暮らすアミールは、パキスタンにいる古い友人のラヒム・ハーンからの電話を受けます。それは「もう一度やり直す道がある」から会いに来て欲しいという電話。その電話を受けながら、アミールの心は26年前の1975年、12歳の冬にとんでいました。アミールが今の自分となったのは、その12歳の冬の日のこと。事業家で、カブールでも屈指の金持ちだった父親のババ、ハザラ人の召使でありながら、ババの兄弟同然だったアリ、そしてアリの息子で当時アミールと兄弟同然に育っていたハッサンのこと...。
アフガニスタンが舞台という、なかなか珍しい作品。私自身はアフガニスタンについて何も知らなくて... そもそも国の場所自体ちょっと勘違いしてましたしね。もう少し東寄り、インドの隣辺りにあるのかと思い込んでたんですけど、イランとパキスタンの間だったんですね。で、読む前は、こんな状態で大丈夫かしらとちょっと心配だったんですが... そんな必要な知識すら持っていない私にとっても、すごく入りやすい作品でした。
物語自体は、まだまだ平和だった主人公の少年時代から始まっています。主人公が18歳ぐらいの時にクーデターが起きるまでは、アフガニスタンもとても長閑な場所。もちろん平和な中にも色々な問題はあるし、子供時代の主人公が直面しているのはハザラ人に対する民主差別。どの時代であっても、どこの国であっても、子供たちって本当に残酷...。ハザラ人のハッサンの、主人公アミールに対する真っ直ぐな思いが痛々しいです。そしてほんのちょっとの弱さが原因で、ハッサンに対して一生消えない負い目を感じることになってしまうアミールの純粋さも。本来ならハザラ人の召使をどのように扱おうが、誰にも何も言われないんですけどね。そこでこんな思いをしてしまうからこそのアミールとも言えるんですが。
クーデターが起きてからのアフガニスタンは、坂を転げ落ちるように酷い状態になっていきます。後半のタリバン政権下のアフガニスタンの状態には、色々考えさせられてしまうし、読んでいてとてもツライのだけど... やっぱりこれはアミールとハッサンの友情の物語なんですよね。良かったです。(ハヤカワepi文庫)
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