「どちらでもいい」アゴタ・クリストフ

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主人が事故に遭ったと医者を呼んだ妻。しかし医者がその寝室に入った時、その家の主人の頭には斧がめり込んでいて、既に死亡していたのです... という「斧」他、全26編。短ければ2ページ、一番長くても19ページ、大抵は4~5ページの作品を集めたショートショート集。

アゴタ・クリストフらしい、余計な装飾を一切そぎ落としたような文章の作品ばかりの作品集。内容的には結構ブラックでびっくりです。最初の「斧」を読んでいたら、ロアルド・ダールの「あなたに似た人」を思い出しちゃいました。でも全体的には、あそこまで突き抜けたブラックさではないかな。重苦しい空気の中で孤独や絶望感に苛まれつつも、そういった感情があまりに身近な日常になりすぎてしまって、それを孤独や絶望とは感じていないような感じ。
これらの作品は、1970年代から1990年代前半にかけてのアゴタ・クリストフのノートや書付けの中に埋もれていた習作のたぐいで、編集者が発掘して1冊に纏めたのだそう。習作だけあって、確かにそれぞれの作品の出来栄えにはちょっとばらつきがあるみたい。「悪童日記」のインパクトには、やっぱり及ばないですしね。それでも4~5ページという短さでこれほどの存在感があるというのが、やっぱり驚き。むしろ短い作品の方がインパクトが強くて面白かったです。(ハヤカワepi文庫)


+既読のアゴタ・クリストフ作品の感想+
「悪童日記」アゴタ・クリストフ
「ふたりの証拠」「第三の証拠」アゴタ・クリストフ
「昨日」アゴタ・クリストフ
「文盲 アゴタ・クリストフ自伝」アゴタ・クリストフ
「どちらでもいい」アゴタ・クリストフ

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