「ハンガリー民話集」オルトゥタイ

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先日アンドルー・ラング編集の「きいろの童話集」を読んだ時にロシアや東欧の童話がもっと読みたいと書いたんですが(記事)、丁度この本を見つけたので読んでみました。この1冊にハンガリーの民話全43編が収められています。

さすがに43作品も読むと最後の方はちょっと飽きてしまったんですが(笑)、東欧の民話をちゃんと意識して読んだのは初めてだったので、なかなか興味深かったです。まず日本の昔話の決まり文句「むかしむかし、あるところに」というのが、ハンガリーでは「あったことかなかったことか」という言葉なんですよね。かなりの割合の物語がこの言葉で始まってます。もしかしたら、今までにもハンガリーの昔話を読んでるのかもしれませんが、この「あったことかなかったことか」というのは初めて。そして締めくくりの言葉に多いのが「死んでいなければ今も生きているはずだ」というもの。あと、その場に自分もいたというのも時々ありました。婚礼の式に招かれていたとか。以前読んだロシア民話では、婚礼の式によばれて蜜酒やビールをご馳走になったけれど、ちょっぴりひげを濡らしただけでみんなこぼれてしまった... というのが何回かあって、すごく印象的だったんですよね。こちらではそれほど慣用的に使われてるわけではなかったのでちょっと残念だったんですけど、それでもいかにも老人たちが語り継いていく話を採取したという感じで好き。

スーザン・プライスの「ゴースト・ドラム」に、鳥の足がついた家が出てきてたんですけど(その足で家が歩くんです)、こちらで登場したのは鳥の足の上で回転するお城。これは東方のシャーマンの旋回する儀礼が入ってきたものだそうです。それってダルヴィッシュの旋舞のことかな? ええと、私が知ってるのはスーフィー(イスラム教神秘主義派)の修行僧がひたすら旋回しながら祈るヤツです。今はトルコ辺りで観光客相手のショーとして旋回舞踏が行われているようですね。ハンガリーはオスマントルコに支配されていたこともあるから、やっぱりその辺りから入ってきたのかもしれないなあ。
それからやけにヤーノシュという名前が多かったんですけど、ヤーノシュはハンガリーの「太郎」なんですかね?(笑) あと15世紀に実在したというハンガリー王・マーチャーシュの話も面白かったです。これがまるで一休さんみたいなイメージ。巨大なかぼちゃを見つけて王様に贈り物にした貧しい人には2頭の雄牛が買えるお金を与えて、それを聞いて美しい子馬を贈り物に持っていった金持ちの男には、その巨大なかぼちゃを与えたり。お金がなくて亭主の葬式を断られた貧しい女には金貨を渡して、お葬式に自分も参列して坊さんをやっつけたり。実際にはお忍びで国の中を旅して回っていたこともあるそうなんで、そうなると水戸黄門になっちゃいますが。(笑)(岩波文庫)

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