「シベリア民話集」斎藤君子編訳

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様々な少数民族が伝統的な生活様式を守って暮らしてきたシベリア。シベリアにおける口承文芸の本格的な収集と研究は、シベリアに流刑になった革命家たちによって、19世紀後半から行われ始めたのだそうです。この本には17民族・41話が収録されています。

日本で民話や童話といえば「桃太郎」や「したきりすずめ」といった日本の物語か、そうでなければグリムやペローといったヨーロッパ系のものが基本。そういう話に子供の頃から慣れているので、今回初めて読んだシベリアの民話の素朴さには驚かされました。こういった話が19世紀後半とか、場合によっては20世紀半ばまで残ってたんですか! いやあ、ヨーロッパ系の民話はやっぱり相当洗練されてるんですねえ。元々の話から残酷だったり性的だったりする部分がカットされているというのを除いても、それ以前に物語としての体裁が相当きちんと整えられていたんだなと実感。シベリアの民話はもっと原始的なんです。特にシベリアでも東の端の方に住む種族に伝わる物語。凄いです。多少の矛盾どころか、途中で話がとんでも筋が通ってなくても気にしない!? かなりの荒唐無稽ぶりで、読んでて逆に楽しくなってしまうほど。ものすごく独創性があるし、昔ながらの彼らの生活がありありと感じられます。今までネイティブ・アメリカンの民話も独特だと思ってましたが、こちらはそれ以上ですね。例としてちょっと引用したくなるようなのもあるんだけど、それは女性としてはちょっと憚られるような内容だったり...(笑)
でもシベリアの東端の海岸部から内陸部の物語に移るにつれて、だんだんとヨーロッパ系の物語に近くなってきました。話としてまとまっていて読みやすいし読み応えがあるし、たとえば羽衣伝説のような他の地方の民話と似ている物語もあったりします。私が楽しめたのは、どちらかというとそちらの物語かも。プリミティブな力強さのある話も捨てがたいんですけど、話としてのまとまりがいい方がやっぱり読みやすいですしね。特に気に入ったのは、羽衣伝説に他のモチーフが色々と混ざったような「白鳥女房」や、月にまつわる神話的な物語「蛙と美しい女」辺り。洗練とプリミティブの丁度中間辺りに位置するような「三人の息子」なんかも良かったなあ。(岩波文庫)

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