「源氏物語」+「まろ、ん?」小泉吉宏

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先日吉岡幸雄さんの「日本の色辞典」(感想)を読んだ時に、改めて読みたいと思っていた「源氏物語」。古典中の古典だけあって、本当にいろんな方が書いてらっしゃるんですよね。私も漫画を含めていくつか手にしたことはあるんですが、最後まで読んだものがあるかどうか...。改めて調べてみると色んなのがあって、どの版にするか迷ってしまいましたよー。今回読みたいなと思ったのは、翻案作品ではなくなるべく原典に近いもの。となると与謝野晶子訳か谷崎潤一郎訳か... はたまた円地文子訳というのも気になるし、玉上琢彌訳というのはどうなんだろう? 一番みやびな日本語になってるのは谷崎潤一郎訳かもしれないな... でも歌人の与謝野晶子の訳というのも捨てがたいし... 円地文子も評判いいみたいだし... などなど激しく迷いつつ、結局与謝野晶子訳を選んでみました。

結果的に、与謝野晶子訳はとても読みやすかったです。昭和13年の現代語訳だから適度に風情もありますしね。和歌の解釈がないんですけど、これも雰囲気で読めちゃう。でも源氏が生きている間の話は面白く読んだんですが、「宇治十帖」に入ってからは集中力が途切れてしまって... ちょっと斜め読みになっちゃいました。(^^ゞ
そして「まろ、ん?」は「大掴源氏物語」という副題の通りの本。源氏物語のそれぞれの1帖を長いものも短いものも見開き2ページの8コマ漫画にしてしまっていて、これ1冊で源氏物語の概要が分かってしまうというスゴイ本です。(笑) これは以前にも読んでいるので再読。
源氏系は栗顔(まろ→まろん→栗)、頭中将系は豆顔になってるので人間関係も掴みやすいし、登場人物系図や主な官位表もその都度登場するので、ほんと分かりやすいんです。それに小泉吉宏さん、概略を書くのが上手いし~。与謝野晶子訳を読みながら自分がちゃんと理解できてるか、こちらの本で復習しつつ読んだのでした。

「まろ、ん?」で一番「おおっ」と思うのはこの部分。

秘め事が知れたら恋人や妻を苦しめるというのに それを告白することが誠実なことだと思っている人がいる。だがそれは自分の罪悪感から解放されたいと思っているだけだ。つまり甘えているだけである。

こういうところを読むと、そうだ「ブッタとシッタカブッタ」やなんかを書いてる人だったんだわーって改めて思い出します。(笑)

今度は谷崎源氏を読んでみたいな。(角川ソフィア文庫、幻冬舎)


+既読の「源氏物語」の感想+
「源氏物語」+「まろ、ん?」小泉吉宏(与謝野晶子訳)
「源氏物語」1・2 円地文子訳
「窯変 源氏物語」1~3 橋本治
「窯変 源氏物語」4~6 橋本治
「窯変 源氏物語」7・8 橋本治
「窯変 源氏物語」9・10 橋本治
「窯変 源氏物語」11・12 橋本治
「窯変 源氏物語」13・14 橋本治

+既読の「源氏物語」関連作品の感想+
「東方綺譚」マルグリット・ユルスナール(雲隠)
「源氏供養」上下 橋本治
「輝く日の宮」丸谷才一
「千年の黙(しじま) 異本源氏物語」森谷明子
「紫式部日記 ビギナーズ・クラシックス日本の古典」紫式部・山本淳子編

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小泉 吉宏 「まろ、ん?―大掴源氏物語 」言わずと知れた紫式部による長編「源氏物語」を、大掴みに解っちゃいましょうという、ある意味での企... » Lire la suite

Commentaires(10)

窯変で!!橋本治で、ぜ、ぜひ…!!

「窯変」は、実は手に取ったこともないんですが… そ、そんなに?(笑)
今度ぜひ試してみなくちゃいけないですね♪

こんにちは。
私は円地文子訳で読みました。
非常に面白かったですよん。
ただし原作にはない部分が創造加筆されているようですけれど。
原文で読むのにも挑戦しましたが途中で挫折。
あとは漫画で『あさきゆめみし』と『パタリロ源氏物語!』ですかね。

森谷明子の『千年の黙』は源氏物語にまつわる歴史ミステリ。
面白いのでお勧めです。
枕草子や紫式部日記を読んでいると尚楽しめるかもしれません。

四季さん、お久しぶりです、こんばんは。
「まろ、ん?」で全く同じ個所を引いていたので、おおっ!!と思ってしまいました。笑
ほんと、源氏って現代の感覚で読むと、到底許し難いおのこですよねえ。

そ、そうか、この絵は「ブッタとシッタカブッタ」の人でしたか…。
気づきませんでした~。

四季さん、こんにちは!
うわあ、わたくしも現代語訳源氏をできれば今年中に読みたいなって思っていたんです。手元に与謝野訳と谷崎訳があって、谷崎訳でまず読んでみようかなと思っています。それにしても現代語訳って他には円地訳、橋本訳しか知らないですがそれぞれにそんなに差があるのか気になります。

>森山さん
円地文子さんのも面白かったですか! うわあ、それはやっぱり気になります。
いやね、今回なぜ円地さんのを選ばなかったかといえば、文庫が入手できない状態だったから…
でも今月から新潮文庫でまた出始めたみたいです。
今1巻と2巻が出てるんですけど、これは全部で何巻になるんでしょう…
全3巻だったら、きっと3冊一緒に出版されたでしょうし、全5巻ぐらいかな?

あら、パタリロの源氏物語なんていうのもあったんですか。知らなかった。(笑)
「あさきゆめみし」は中学の頃に読んでます。大和和紀さん、大好きだったので~。
でも最後までは読んでないんですよね。
あ、「千年の黙」も実はずっと気になってたんです。やっぱり面白いですか。
でも紫式部日記を読んでない私…。
枕草子もきちんと復習してから読みたいですね、それは。
教えて下さってありがとうございます♪

>つなさん
わあい、トラックバックありがとうございます~。
ええっ、「まろ、ん?」で全く同じ箇所を引いてましたか。
それは知らなかった。
やっぱりあそこは「おっ」ときますよね。
そもそも、もし浮気をするなら相手に絶対バレないようにするのが礼儀だと思うし!
(や、当時の価値観だと、そういう礼儀は存在しなかったんでしょうけど・笑)
よそから入ってきたウワサに対して、それがたとえ真実だったとしても
「それは違う」と嘘を突き通してくれた方がいいな、私は。(笑)

そうそう、「ブッタとシッタカブッタ」の方なんですよ。
ということは、つなさんも読んでらっしゃるんですね~? うふふ。

>kyokyomさん
てへへ、お先に1つ読んでしまいました。(^^ゞ
与謝野晶子訳、なかなか良かったですよ。
でも谷崎潤一郎訳もやっぱり気になります。
源氏物語ってほんと色んな人が手がけてますよね。
田辺聖子訳は翻案物になってるけど、物語として面白いし…
あと瀬戸内寂聴訳もいいらしいし。
ほんと、それぞれの作家さんによる差って気になりますよね。
色々読み比べてみたいです。

↓こんなページも見つけました。
http://www.rose.ne.jp/~mori/01_z_books/index.html
ここのサイトの管理人さんは田辺聖子訳や円地文子訳がお好きみたいです。

こんにちは~
コメントを見ていて自分が投稿していたのでびびりました笑
読んでみると、ああそういえば・・・などと思い出すようなそうでもないような失礼しました^^
結局与謝野訳で読むことができました。
そういえばなんで与謝野訳にしたのかなあと思ったのですが、思い出しました。瀬戸内寂聴さんが昔川端康成と対談をしたときの話で、川端が与謝野訳は素直でいいねぇ、谷崎訳はほとんど原文のまんまだねえと言ってたということを述べていたのをどこかで見て、ではそれならはじめは与謝野訳にしようと思い手に取ったのでした。川端康成も訳したいと考えていたそうです。
今度読む機会をとらえたときには谷崎訳にしようと思います^^

kyokyomさん、こんにちは~。再度のコメント嬉しいです。
そして読書メーターでは、ナイスをありがとうございました~。
「こ、こんなのにナイスをもらっていいの…?」と思いつつ
kyokyomさんに逐次読了報告してもらってるような気がして嬉しかった四季です。
結局与謝野訳で読まれたのですねー。
へええ、川端康成がそんなことを…。うん、確かに与謝野訳は素直という感じがしますね。
与謝野晶子さんって男性的な方だったのかな? さらりとして読みやすくて好きでした。
和歌をそのままにしていたというのも良かったですしね。
で、私はこの後、円地訳も読みかけたのですが…
円地文子さんが興に乗って加筆されている部分が、どうしても気になってしまって…
最初に読んだのが与謝野訳でよかったなあって思いました。
橋本治さんのように思い切り変えてるなら、それもまた楽しいんですけど(面白かったです!)
どこからが創造加筆なのかと考えつつ読むのは、どうも性に合わないみたい。
円地さんはまろやかな女性的な文章で、それはとてもよかったんですけどね。

私も次に読むなら谷崎訳ですねえ。
あ、でも、私もやっぱり宇治十帖が物語全体の中でどのような意味を持つのか気になります。
どうも、それまでの部分とは別作者説を採りたくなってしまいます。
橋本治版は最後まで面白かったですが、他の訳を読む時は最後まで読めるかどうか…
それはちょっと自信ないです。(笑)

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