「中国民話集」飯倉照平編訳

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舌切り雀や花坂爺さん、猿蟹合戦のような話もあれば、中国らしい仙人の出てくる物語もある1冊。結構楽しかったんですが、ちょっとびっくりしたのが、七夕の織姫・彦星の話。私がこれまで知ってたのは、愛し合う夫婦が年に一度しか会えなくなってしまって悲しい~という話だったんですが、ここに載ってるのは違うんです。夫が隠していた自分の衣を取り戻した織姫は、空に舞い上がって逃げるし! 夫と子供が追いつきそうになると、次々に大きな川を作って渡れないようにするし! この話の2人は愛し合ってたんじゃないんですね? で、織姫は夫となんか二度と会いたくないのに、天帝の命令で7月7日の夜だけは会うことになってしまいます。それからというもの、夫は毎日食事で使ったどんぶりを1つずつ残しておいて、7月7日の夜、織姫は一晩中そのどんぶりを洗い続けているのだとか... すっごいですねえ。そんな2人なのに、それでも〆の言葉が「毎年、七月七日には、雨が降らなければいいのだが、雨が降れば、それは牛飼いと織姫の流す涙だといわれている。」... 何なんですか、一体。(笑)

あと、日本の鶏は「コケコッコー」と鳴きますが、アメリカでは「クックドゥードゥルドゥー」ですよね。フランスでは「ココリコ」。ここに登場した中国の鶏は「ロンコーコ、チアオホアンオー」と鳴いていました。そしてホトトギスは「コアンクントオチュ」。(もちろんそれぞれに意味があります)こういうのも面白かったな。(岩波文庫)

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Commentaires(2)

この七夕のお話は、いろいろな寄せ集めみたいで、面白いですね。
三途の川には、脱衣婆と爺がいて、死者の衣をはぐそうですが、ふとあれは織姫・彦星の成れの果てかも…と思いました。
めっちゃ仲悪そうな、老夫婦(笑)

羽衣伝説にも似てるし、物を投げて逃走する民話の型にもなってます。

私の考えでは、織姫彦星も、蘇民将来・牛頭天王型のヴァリエーションのひとつ。
竜宮城へ行く浦島も、冥界へ赴くイザナギも、そうだと考え始めています。

夫のほうは、もともとは太陽神。
日々、生と死を旅をするし、一年かけて元に戻る、年神でもある。
だんだん、疫病などを運ぶタタリ神になっていきます。
もともと両義的な性質があって、鬼であると同時に、鬼退治をする太郎でもある。
日本と中国で、愛憎なかばする夫であるのは、「正しい」のかも。

プロトタイプとしては、海や山である女神のもとに赴いて、王子として再生する、ということ。
たぶん、新生した王子(=太郎)が、古い自分を殺します。
浦島太郎の玉手箱は、うつほ舟で、たぶんその中には新生した太郎が入っていて、古いほうの太郎は、箱を開いた途端、お払い箱になって老人と化すw

見かけは単純だけど、じつはかなり深読みできるもので、古代の人々はここからいろんな人生の思いを、神秘主義的に編み出していたのでは、と思います。

overQさん、こんにちは!
いやー、七夕の話にも色んなバリエーションがあるものですねえ。
だんだん本来の話が分からなくなってきてしまってるんですけど
一番一般的なのはどうなんでしたっけ…
織姫が天界の存在だというのはどれも共通してると思うんですが
2人ともそうだというのもあったはずだし
今回のみたいに、彦星が人間というのもありますよね。
彦星が天上に追いかけて行った時にも
織姫彦星は相思相愛なのに親が妨害した、という方が一般的だけど
今回みたいに織姫自身が嫌がってるというパターンもあるわけで…
でもでも、これじゃあ七夕の晩に雨が降らないことを願う意味が全然ないじゃないですか。
末は三途の川の脱衣婆と爺だなんてイヤーん。(笑)

ああ、男性は本来太陽神ですか。
>日々、生と死を旅をするし、一年かけて元に戻る、年神でもある。

ああー、なるほど! 太陽神というのは、そういうことなんですね。
そうか、価値観的に絶対的な正ではなく負も併せ持っているわけで
それが人間だったり神だったりと、女性ほど一定していないわけですね。
となると、女性は常に女神だというのもポイントですね。
こちらはやっぱり元は地母神なのでしょうかー。
日本の場合は、それほど地母神信仰が強くなかったから
イザナミだけでなくイザナギがいるのかなあ、なんて思ってみたり。関係ない?(笑)

深く読めるようになればなるほど、面白くなるんでしょうね。
私もきちんと読めるようになるといいなー。
OVQ神話学で勉強して、がんばります!

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