「清談 佛々堂先生」服部真澄

Catégories: /

 [amazon]
口能登の旧家の屋敷を借りて個展を開いていた関屋次郎。関屋は椿をモチーフにした絵を専門に描いている画家。しかし「椿なら関屋次郎」という評判で人気が高く、熱狂的な蒐集者がいるにも関わらず、関屋は苛立っていました...という「八百比丘尼」他、全4編の連作短編集。

風待屋のsa-ki さんに教えてもらったんですけど、いやあ、これが面白かった。服部真澄さんといえば国際謀略小説専門の方かと思ってたんですけど、こんな作品も書いてらしたんですねー。雰囲気の違いにびっくり。
物語の中心となっているのは、一流のアーティストや料理人、茶人たちに頼りにされる「平成の魯山人」佛々堂先生。普段はくたくたのシャツに作業用のズボンのような服装で、古いワンボックス・カーに様々な荷物をところ狭しと積み込んで日本各地を移動してるんですけど、2~3分もあればそんな小汚い服装から小粋に着物を着こなした旦那に化けちゃう。それにどんなに多忙でも携帯電話やファックスといったものは使わず、佛々堂先生からの連絡は墨でさらさらと書きつけた巻紙。
この佛々堂先生がほんと洒脱なんですよね。魯山人といえば、私にとってはどうも漫画「美味しんぼ」の海原雄山のイメージで...^^; いかにも偉そう~な上から目線の人間をイメージしてしまうんですけど、この佛々堂先生は人懐こくて、たとえ我侭を言っても憎めない存在なんです。本人もとっても世話好きですしね。伸び悩んでいる作家がいれば助けの手を差し伸べるし... しかも本人にはそうと悟らせないその差し伸べ方の粋なこと。一流の骨董や書画を扱う小説といえば、北森鴻さんの冬狐堂シリーズが真っ先に思い浮かぶんですけど、こちらはもっと肩の力が抜けた感じ。冬狐堂シリーズも面白いんですけどね。むしろ「孔雀狂想曲」の方が近いかも? あんな風にミステリ的な事件が起こることはありませんが。それに金儲けが絡んでギラギラ、人間関係がドロドロ、っていうのがないのがいいんですよねえ。それでいて、さらっと深いものを教えてくれる面もあったりして。
春の椿、夏の蛤、秋の七草、松茸と季節折々の風物も織り交ぜて、とても風流で味わい深い作品となっていました。このシリーズいいなあ。謀略小説よりずっと好みかも♪(講談社文庫)


+既読の服部真澄作品の感想+
「鷲の驕り」服部真澄
「清談 佛々堂先生」服部真澄
Livreに「龍の契り」の感想があります)

| | commentaire(2) | trackback(1)

Trackbacks(1)

「清談 佛々堂先生」服部真澄 へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

清談 佛々堂先生 (講談社文庫)(2007/09/14)服部 真澄商品詳細を見る 仏のようだからと言う人もいれば、ブツブツ文句を言うからだ、と話す人もい... » Lire la suite

Commentaires(2)

四季さん、こんばんは~。
佛々堂先生、読みました♪
ほんと、お茶目で憎めない!笑
そっかー、季節も色々織り交ぜてあったんですね。
そこのところは、感じる力が弱かったわ。汗
芸術家じゃないからのせては貰えないでしょうけれど、佛々堂先生の企み、一度、のっかってみたいですよねえ。
そうじゃなくても、「雛辻占」のような、おうち公開に行ってみたい♪

つなさん、こんにちは~。おお、読まれたのですね!
つなさんもお好きなんじゃないかなーと密かに思ってたのです。
佛々堂先生が、そうそう、お茶目なんですよね~。
時には七夕の時みたいに、可哀想でしょ~と言いたくなるようなことをしてても
そんなとこも憎めないし、やっぱり素敵♪
うんうん、ほんとあの企みに一度乗っかってみたいですよね。ガラクタ市も見てみたい!
そして、自分に理解できないからって価値がないと切り捨ててしまう愚かさを
目の当たりにさせられるのですね…(笑)
色々教わってみたいです。(本当はとっても恐れ多いですが★)

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.