「ビールボーイズ」竹内真

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第一回ビール祭は1983年、正吉が小学校6年生の時。参加者は秘密基地の正式メンバーである正吉と広治郎と勇の3人、そして紅一点の薫。3人の男子が密かに恋心を抱いていた茜が引っ越すことになり、薫が仲良しの茜も連れて来ることを期待して、女人禁制の秘密基地に特別に誘ったのです。茜が引っ越すことになったのは、その町から月星ビールが撤退することになったせい。残念ながら茜は不参加でしたが、4人は茜に引越しさせた奴らに復讐と称して缶ビールを飲むことに。

ああー、「カレーライフ」のビール版ですね! 小学校の時に出会った正吉、広治郎、勇、薫という4人の人生が、転校や進学、就職などによって近づいたり離れたりしながら、それぞれにビール作りに関わっていくという物語。人生の節目節目、というほどではないですが、何かある時は常にビールを片手にしている彼ら。昨日読んだ「ワンダー・ドッグ」は約10年の物語だったんですが、今回のスパンは約20年。竹内真さんの作品って、考えてみたらこういうのが多いなあ。もちろん「カレーライフ」もそうだったし。
それでも「カレーライフ」みたいにみんなで自分たちのカレーを作り上げたのとはちょっと違っていて、実際にビール作りをするのは正吉だけ。他の面々も大事な仲間ではあるんですが、オーストラリアで正吉が出会ったウィリアムが言ったような「人は、それぞれの場所で闘うものじゃないかな」状態。どうしても「カレーライフ」と無意識のうちに比べてしまうので、実際の作り方で試行錯誤する場面がないのがちょっと物足りなくもあったんだけど... それでも出来上がったビールはやっぱり美味しそうです。ここんとこまた暑い日が続いてますからねえ。そうでなくてもビールが美味しいのに! そこに「がーっと飲むのに向いたビールもあれば、じっくり飲むのに向いたビールもある。俺が造ってんのは、たっぷり時間をかけて味わう価値のあるビールなんだ」という正吉の言葉。いやあ、ほんと正吉が作ってるビールが飲みたくなってきてしまいますー。(東京創元社)


+既読の竹内真作品の感想+
「図書館の水脈」竹内真
「真夏の島の夢」竹内真
「じーさん武勇伝」竹内真
「自転車少年記」竹内真
「笑うカドには お笑い巡礼マルコポーロ」竹内真
「オアシス」竹内真
「ワンダー・ドッグ」竹内真
「ビールボーイズ」竹内真
「シチュエーションパズルの攻防」竹内真
Livreに「粗忽拳銃」「カレーライフ」「風に桜の舞う道で」の感想があります)

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「ビールボーイズ」 竹内真 僕は毎日お酒を飲まなきゃやっていられないわけですが、とりあえず家に帰ってあけるのは缶ビールです。グラスになんていれる時間はも... » Lire la suite

装幀は水野哲也。カバー・本文イラストはフジモトヒデト。 ビール工場の閉鎖で転校した茜を惜しむ正吉、広治郎、勇、薫。 北海道の新山市... » Lire la suite

ビールボーイズクチコミを見る # 出版社: 東京創元社 (2008/02) # ISBN-10: 4488023991 評価:90点 ... » Lire la suite

Commentaires(3)

こんばんは。
トラックバック、コメントありがとうございます。
ビール好きにはいっそう楽しめる、のど越しのいい作品でしたね。
今回のスパンは約20年!、長いですよね~。
多感な時期に結んで続く四人の友情が、とっても素敵でした。

藍色さん、こんにちは。
こちらこそありがとうございます。
ああ、ほんと「のど越しのいい作品」でしたね~。(上手いですっ)
まだまだ暑いこの時期に読んで良かったです。
最後の最後まで爽やかでした。

どこか趣味的なのが竹内さんらしい。

ビールを題材にこれだけお話が出来るんですから、さすがですね。
お酒とか、お好きなのかなって想像してしまいます。

竹内さんの作品の感想とかをネットでいろいろ読んでいたのですが、
http://www.birthday-energy.co.jp/
というところでは、竹内さんご自身についての論評記事があって
興味深かったですよ。

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