「マルコヴァルドさんの四季」カルヴィーノ

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都会の暮らしにはあまり都合の良くない目をしたマルコヴァルドさん。人々の目を引くために工夫された看板や信号機、ネオンサインや広告のチラシは目に入らず、逆に枝に1枚残った黄色い葉や屋根瓦にひっかかっている鳥の羽のような光景は決して逃さないのです。そんなある朝、仕事に行くために電車を待っているマルコヴァルドさんが見つけたのは、通りの並木の周りのわずかな土から顔を出そうとしていたきのこの頭でした。

ズバーブ商会の人夫をしているマルコヴァルドさんは奥さんと子供4人の、全部で6人家族。お給料は少ないのに養う口は多く、家賃を支払うのも滞りがち... というマルコヴァルドさんを巡る四季の物語です。春夏秋冬が5回繰り返されるので、5年間の物語ということになりますね。
んんー、これはとっても微妙...。最初はごく普通の街角の情景を切り取ったような感じで始まるんですけど、じきに現実味が少しずつ薄れていくんですよね。そういう現実と非現実の境目が曖昧な話というのは好きなんだけど、そこまで突き抜けた話というわけでもなくて、どちらかといえばホラ話のレベル? でもそれ以前にどう反応したらいいのか困ってしまう話も多かった...。家に帰るバスに乗ったつもりが、インド行きの飛行機に乗っていた、なーんて展開の場合はニヤニヤできるからいいんですけど、これって笑える話?それとも...?なんて思ってしまったのが結構多いんです。確かにユニークではあるんだけど、シュールというかブラックというか... 最初のきのこの話だって、結局きのこを食べた人みんな病院で再会することになるというオチですしね。最後の「サンタクロースのむすこたち」なんて、一体! お涙頂戴では決してないし、むしろ乾いた感じではあるのだけど、しかもどんな状況になっても生き抜いていく逞しさがあるんだけど、笑う以前にマルコヴァルドさんの貧しさとか悲哀を感じてしまうー。カルヴィーノは笑える話のつもりで書いたのかしら? イタリア人なら読めば笑える? 大人になってしまった私は笑えなかったけど、子供の頃に読んでいればまた違った印象になってたのかな?(岩波少年文庫)


+既読のイタロ・カルヴィーノ作品の感想+
「宿命の交わる城」イタロ・カルヴィーノ
「不在の騎士」イタロ・カルヴィーノ
「レ・コスミコミケ」イタロ・カルヴィーノ
「なぜ古典を読むのか」イタロ・カルヴィーノ
「まっぷたつの子爵」「木のぼり男爵」イタロ・カルヴィーノ
「イタリア民話集」上下 カルヴィーノ
「魔法の庭」イタロ・カルヴィーノ
「見えない都市」イタロ・カルヴィーノ
「マルコヴァルドさんの四季」カルヴィーノ
「冬の夜ひとりの旅人が」イタロ・カルヴィーノ
「柔かい月」イタロ・カルヴィーノ
「カルヴィーノの文学講義」イタロ・カルヴィーノ
「パロマー」カルヴィーノ
「くもの巣の小道」イタロ・カルヴィーノ
「むずかしい愛」カルヴィーノ

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Commentaires(4)

ご無沙汰してます。
マルコヴァルドさんの四季!
大分昔に買って、まだ読んでないなあと思いだしました。
粗筋すらあまり把握していなかったので、
こちらの記事に、そんな話なんだあと吃驚です。
これを機に、読んでみます~。

慮柳涼さん、こんにちは~。
ご無沙汰してますが、ブログはちゃんと拝見してますよん。
ここ数日は調布の結果が気になってドキドキなんです。(^^ゞ

そして「マルコヴァルドさんの四季」、涼さんはお持ちだったんですね!
私は読んでてちょっと混乱してしまったんですけど
涼さんは、また違う印象を持たれるような気がします。
ぜひ読んで見てください。^^

こんにちは。
カルヴィーノとはまた趣向が違いますが,
スティーヴン・ミルハウザーも面白いですよ。
『バーナム博物館』とか『イン・ザ・ペニー・アーケード』が特にいいです。
特に後者に収録の「東方の国」なんて四季さんはお好きじゃないかしら。
Livreに感想がなかったのでお勧めしておきます。

最近,妙に多忙で御無沙汰しています。
なかなか読書が進まないのが困りものです。
つって,旅行に行ったり,ゲームしたりは出来ているんですけどね(苦笑)。

森山さん、こんにちは。
スティーヴン・ミルハウザーですか。
いやー、ミルハウザーは全然読んだことがないどころか、ノーチェックでした!
「バーナム博物館」と「イン・ザ・ペニー・アーケード」ですね。φ(.. )メモメモ
どんな感じなんでしょう。
「東方の国」が好きそうだなんて、それはとっても気になります。
ぜひ早急に探してみますね! オススメありがとうございます。^^

読書、進んでないですかー。実は私もそうなんです。
今年は例年に比べてあんまり読んでないって自覚があったんですけど
今の時点で、去年よりも100冊も少ないんですもん。びっくり!
読書以外の趣味に目がいきがちで、「読書の秋」になるかどうかもアヤシイです。(笑)

P.S.円地文子さん訳の源氏物語を2冊読んでみましたよー。

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