「流れ行く者 守り人短編集」上橋菜穂子
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山畑のネェやが山犬に襲われたという話を聞いてきたのは、タンダの妹のチナ。その山犬に青白い鬼火がまとわりついて、少し前に死んだオンザの顔に見えたらしいのです... という「浮き籾」他、全4編。
完結してしまった守り人シリーズの番外編。タンダ11歳、バルサ13歳の頃の物語です。この頃はまだバルサの養父のジグロが生きていて、2人は追っ手から逃れるために用心棒の仕事をしながら各地を転々としています。トロガイの家もその拠点の1つ。
4編のうち2編はタンダ視点の物語。タンダやその家族の生活ぶりを見ていると、古い時代の日本でもこういった暮らしをしていたんだろうなあって素直に思えてきますねえ。稲に虫がついた時の反応や稲刈り、収穫の祭りの様子なんかもそうなんですけど、目の薬を作るためにナヤの木肌を剥ぎ取る時の様子とか、食べ物が乏しい冬の最中に山の獣たちに食べ物を分ける「寒のふるまい」のことを読んでると、中沢新一氏のカイエ・ソバージュシリーズで読んだ、一神教や国家が誕生する前の時代の話を思い出しちゃう。そのものズバリ重なるというわけではないんだけど、まさにあそこに書かれていたような暮らしをしてたんだろうなと思えるのは、やっぱりそれだけ土台がしっかりと描かれてるということなんでしょう、きっと。
そしてあとの2編は、バルサ視点の物語。こちらではバルサとジグロが仕事をしてる酒場や隊商の旅が舞台となってるので、まるで雰囲気が違います。ススットという賭事が面白い~。このゲームの特徴がとても生かされている物語だったし、専業の賭事師を務めてるアズノという老女がとても印象に残ります。そして隊商の旅の方はちょっと痛い... でも「精霊の守り人」ではもう既に亡くなっているジグロが生きていて、その姿をバルサの視点から見られるのが嬉しいところ。もっと容赦ない厳しさ一点張りの人なのかと思い込んでいたんですけど、そうでもなかったんですね。いや、確かに厳しいですけど。バルサに対する愛情がしっかり感じられて良かったです。(偕成社)
+シリーズ既刊の感想+
「精霊の守り人」「闇の守り人」「夢の守り人」......ブログには感想がないので、よろしければLivreへどうぞ
「虚空の旅人」「神の守り人 来訪編」「神の守り人 帰還編」「蒼路の旅人」上橋菜穂子
「天と地の守り人」1~3 上橋菜穂子
「流れ行く者 守り人短編集」上橋菜穂子
「バルサの食卓」上橋菜穂子・チーム北海道
+既読の上橋菜穂子作品の感想+
「獣の奏者」1・2 上橋菜穂子
Livreに「狐笛のかなた」の感想があります
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「守り人」シリーズの外伝の短編集。バルサ13歳、タンダ11歳の時の物語。バルサが故郷のカンバルから養い親のジグロと共に逃げ出してから7年。バルサはトロガイ... » Lire la suite
こんにちは、YO-SHIといいます。読書ブログやっています。
ブログ村のトラコミュを見て来ました。
この本は、しばらく前に読みました。
「守り人」シリーズはとても良かった。
特にチャグムが成長して「天と地の~」の3部作が、
ドラマチックな盛り上がりを見せてくれました。
そしてこの外伝では、ジグロの人となりが描かれていて
「守り人」の登場人物への思い入れが募りました。
上橋さんには、もう少しこの話を書いて欲しいです。
YO-SHIさん、はじめまして、こんにちは。
ブログ村のトラコミュから来て下さったのですか~。
コメントありがとうございます。
「守り人」シリーズは本当にとてもよかったですね。私も大好きです。
「天と地~」も、シリーズラストに相応しい見事な作品で
ほんといい作品を読んだなあってしみじみと思いました。
この短編は、シリーズを全部読んだ人へのご褒美のような短編集ですね。
これもとても良かった。
ただ、私も「守り人」シリーズは同じように大好きなのですが
YO-SHIさんとは逆に、これでおしまいでいいと思ってたりします。
引き際の鮮やかさも、いい作品には必要不可欠だと思ってるので…(^^ゞ