「お隣の魔法使い 語らうは四季の詩」篠崎砂美
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その日メアリーがツクツクさんを見かけたのは、川沿いの桜並木の下。ツクツクさんは大きなザルをかかえて桜の花びらが地面に落ちる前にザルの中につかまえようとしていました... というお話に始まる、メアリーとお隣に住むツクツクさんのシリーズ4作目。
この本から時間の流れがランダムになるという予告通り、それぞれのお話の時系列順はバラバラ。ツクツクさんのメアリーへの呼びかけも変化するし、お話の中のちょっとした描写から、いつ頃の出来事なのか何となく分かるんですけどね。それにしても、相変わらずのほのぼのぶり~。やっぱりこのシリーズは可愛いです。この不思議さ加減がとっても居心地いいし。
今回一番楽しかったのは、夏に水琴窟を作るお話かな。暑い日に水琴窟の音を楽しむというだけでも素敵なのに、水羊羹に水菓子(西瓜)、水団扇、極めつけが魚洗。こういうのを読むと、日本の夏は五感で涼しさを堪能するものなんだなーって改めて思いますね。...お話の舞台は日本じゃないし、魚洗も日本の物ではないですが。ええと、漁洗っていうのはアレです、私も以前中華街でやってみたことがあるんですが、水をはった金属製のたらい(?)の取っ手を濡れた手でこすることによって、不思議な音と共に水面から水しぶきが上がるというもの。初めてやった私でも30cmぐらいあがったし、熟練してる人がやると、もっと上がります。
それから、春の色んなジャムを作ってしまう話も素敵だったな。こんなに色んなジャムが作れるとは~。桜の花びらのジャム、食べてみたい。色や香りが目の前に浮かんでくるようです。そういえば、コンデンスミルクの缶詰を鍋でことこと煮て、冷えてから缶を開けると茶色くて甘~いクリームになると聞いて、やってみたいなと思ったことがあるんだけど... まだ試したことがなかったな。
あと、虹は七色、とばかり思い込んでたんですけど、国や人によって6色とも5色とも... 2色だなんて言ってる場所もあるとはびっくり。虹の色の並び順を覚える言葉も、今回初めて知りました。「ナクヨ(794)うぐいす平安京」じゃないですけど、こんなのがあったんだ! これは覚えやすいですねー。と、ちょっと感動。 (GA文庫)
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