「夜物語」パウル・ビーヘル

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小人が住んでいたのは、古いお屋敷の屋根裏に仕舞われているドール・ハウスの中。その屋敷には年をとったおばあさんが1人で暮らしており、小人は屋敷の中がきちんとなっているか見回りをするのが毎晩の日課でした。そして小人とおばあさんの他にいたのは、地下室に住むドブネズミとヒキガエル。小人とドブネズミとヒキガエルは毎週土曜日になるとトランプ遊びをする習慣なのです。秋も深まったある晩、小人の家のドアを叩いていたのは、嵐に打たれてずぶ濡れになり、羽もぼろぼろになった1人の妖精。小人は妖精の魔法が怖いながらも、一晩だけ妖精を家に泊めることになります。そして妖精の語る物語を聞いた小人は、その話にすっかり夢中になってしまうことに...。

オランダの最も優れた子供の本に贈られるという「金の石筆賞」を受賞した作品なんだそうです。永遠の命を持ち、緑色のお城で毎日楽しく暮らしていたはずの妖精が、マルハナバチの死に立ち会ったことで、妖精に足りない「死」や「子孫」の存在に気付いて、それらを求めて旅をするという物語。そしてその物語を小人が毎晩のように聞くという「千夜一夜物語」のような枠物語です。
「物語が進むにつれ、『エルフや小鬼、水の精や巨人の活躍する不思議な妖精の世界』と『小人の住むお屋敷の話』が、しだいにまざりあい...」という紹介で興味を持った本なんですけど、そういう意味では期待したほどではなかったかな。確かに話を聞いてる小人は話が進むに連れてその情景を現実のことのように感じ始めるし、妖精の物語がじきに現実の出来事に連なっていくんですけど、私はもっとファンタジーのようなSFのような展開を期待してしまったので...。それに妖精の話が私にはそれほど魅力的に感じられなかったんですよね。あまりに能天気に「わたしと結婚しない? そうすれば子どもも生まれるし、死ぬこともできるわ」なんて会話が繰り返されるんですもん。しかも妖精と同じく「死」のことをまるで理解してない種族との間で。その軽さはきっと意図的だったとは思うのだけど... まあ、最後はいい感じでまとまるんですが。
一番おおっと思ったのは、ナーンジャ、カーンジャ、フキゲン・ジャーという3人の魔法使いの名前。こういうのいいなあ。エルフの2人の王子もアルサーとナイサーという名前。元の言葉はオランダ語でしょうから聞いても分からないですけど、元の言葉が知りたくなっちゃう。こういう翻訳センスっていいですねえ。(徳間書店)

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