「人喰い鬼のお愉しみ」「カービン銃の妖精」ダニエル・ペナック

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マロセーヌは、デパートの商品の品質管理係。しかしその実態は苦情処理のためのスケープゴート。怒った客がデパートに怒鳴り込むたびに「お客様ご要望コーナー」に呼び出され、客の前で上司にこっぴどく叱られるのが仕事。マロセーヌは反省して嘆き悲しみ、上司はマロセーヌに弁償するように命じたり首を言い渡します。そして尚もくどくど怒り続けていると、客の態度が一変するのです。客たちは一様にマロセーヌに同情して、逆にマロセーヌが首にならないように上司に喰ってかかり、訴えを引っ込めることになり、結果的にデパートは賠償金を払わずに済むという仕組み。そんなある日、マロセーヌの目の前で爆弾事件が起こります。その爆弾事件は2度3度と続き、そのたびに死人が出ることに。そしてなぜか常に現場近くにいるマロセーヌが疑われることになるのですが... という「人喰い鬼のお愉しみ」と、その続編「カービン銃の妖精」。

以前「人喰い鬼のお愉しみ」を読んで、続きを読もうと思ってそのままになってたんですけど、つなさんが読んでらしたのを見て思い出しました。でも前回読んだのは、もう4年も前のこと。人間関係もかなり忘れちゃったし、これは一度復習しておかないといけないなあーと、「カービン銃の妖精」を読むついでに「人喰い鬼のお愉しみ」も再読しておくことに。
いやあ、面白かった。もう前回の苦労が何だったのか全然思い出せないぐらい堪能しました。そうか、こんなに楽しい作品だったのか。やっぱり人間関係が掴めてると、物語そのものに集中できますね。前回は大変だったんですよー。「マロセーヌ」と聞くと女の子の名前かなって思うのに男の人だし、しかもこの「マロセーヌ」というのは苗字! 後で出てくる「バン」とか「バンジャマン」というのが彼のファーストネーム。マロセーヌが苗字だと分からないのは日本人の私には仕方ないとしても、それが「バン」や「バンジャマン」と同じ人間だと分かるまでにも随分かかったし...。しかも彼には父親の違う弟や妹が5人もいて、お母さんは何度目かの駆け落ち中。その辺りの説明もさらっとしてるんですよね。もうほんと読みづらいったら。饒舌すぎるほど饒舌な作品なのに、なんで肝心のその辺りの説明は饒舌じゃないのかしら?(笑)
あーでもこの饒舌ぶり、ニコルソン・ベイカーの「中二階」(感想)に通じるものがあるかもー。なんて思いつつ...。

この家族構成だけでも只者じゃないって感じですが、登場人物がまた1人残らず個性的だし、とにかくユニーク。妙に後を引く面白さがあります。ちょっと説明しづらいんですけどね。読んでるうちにミステリだということをすっかり忘れてしまってましたが、一応ミステリ作品でもあります。そして「カービン銃の妖精」では訳者さんが代わるんですけど、全然違和感がないどころか、さらにパワーアップ。あと2冊出てるし、続きも読むぞ!(白水Uブックス・白水社)


+シリーズ既刊の感想+
「人喰い鬼のお愉しみ」D.ペナック
「人喰い鬼のお愉しみ」「カービン銃の妖精」ダニエル・ペナック
「散文売りの少女」ダニエル・ペナック
「ムッシュ・マロセーヌ」ダニエル・ペナック

+既読のダニエル・ぺナック作品の感想+
「片目のオオカミ」ダニエル・ペナック
「カモ少年と謎のペンフレンド」ダニエル・ペナック
「奔放な読書」ダニエル・ぺナック

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Commentaires(2)

うわー、いつものことながら、四季さん素早いですー!笑
ほんと、「バンジャマン」とかって、ちょっと日本人センス的には冗談…?などとも思ってしまったんですが、googleで検索すると、普通に有名人っぽい人の名前が引っ掛かってくるんですよね。
フランスでは実はメジャーな名前なんでしょうか。
一瞬、パジャマ?と思ったのは私だけ?笑

あああ、ニコルソン・ベイカーも読まなくっちゃ!
大分涼しくなってきましたが、やっぱり涼しい方が読書が進むような気がします。

あれ、私、「ムッシュ・マロセーヌ」が三作目で最新刊だと思ってたんですが、まだ一作あるんでしょうか?
「カービン銃の妖精」なんて、とてもマロセーヌ・シリーズだなんて分かりにくいですよね。笑
シリーズものは、タイトルも少し考えてほしいと思う今日この頃です…。
せめて副題つけてくれればなー。

いやあ、ほんと面白かったです。
途中でやめるにやめられなくて、読み続けちゃいましたよ。
でもほんと「バンジャマン」って名前はどうよ?って思いますよね。
バンジャマン・マロセーヌだなんて!
えっ、そんなメジャーな名前だったんですか。
あ、ほんとだ… 北京オリンピックの選手にもいたみたい。
あとはバレエのソリストと小説家… いるものなんですねー。(笑)

2冊目の最初の章を読んでたら思い出したんです。>ニコルソン・ベイカー
私もあれっきり読んでませんが。この人の本も読むのに結構パワーがいりますよね。
夏の暑い時には、ちょっとご勘弁です。(笑)

うん、シリーズ物はちゃんとシリーズ物らしくして欲しいですね。
だから図書館に2冊目が入ってないなんてことになるんでしょうね。
あ、でもね、2冊目には登場人物表がついてましたよ。(進歩? 笑)
シリーズは四部作で、「散文売りの少女」「ムッシュ・マロセーヌ」の順だそうです。
つなさんのとこの図書館に3冊目があればいいですねえ。

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