「散文売りの少女」ダニエル・ペナック

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タリオン出版でスケープゴート(身代わりの山羊)の仕事をしていたバンジャマンは、社長の「ザボ女王」に辞表を提出。お気に入りの妹のクララが40歳も年上の刑務所所長と結婚すると言い出して、ショックを受けていたのです。そんなバンジャマンに逆にクビだと言い渡すザボ女王でしたが、2日後には前言撤回。今度は「憎悪」ではなく「愛」の仕事があるというのですが...。そしてバンジャマンは、覆面ベストセラー作家・J・L・B になりすますことに。

バンジャマン・マロセーヌシリーズ第3弾。いやあ、今回も濃かったわー。
他人のミスをかぶって怒鳴りつけられ、激怒している相手の怒りを和らげるのが仕事という職業的スケープゴートのバンジャマン。しかも身の回りであんまり事件が頻発するせいで、警察からは爆弾犯や殺人犯い間違えられて毎回のように大迷惑なんですが、今回の悲惨さはこれまでの比ではありませんでした! ここまできますかー。まさかとは思ったけど、すごい展開にびっくり。こんなのあり得ないでしょ... とは思うんですけど、元々強烈なシリーズですしね。強烈な登場人物や強烈な事件に紛れてしまって、なんとはなしに納得してしまうのがコワイ。でも今回、確かに本がテーマになってるんだけど、「散文売りの少女」という題名はどうなんでしょう。原題のまま訳されてるんし、確かにそういうエピソードはあるんだけど、ちょっと違う気がします。
バンジャマンにはそれぞれに父の違う6人の弟や妹たちがいるんですけど、今回この7人きょうだいが「母親の情熱の果実(パッション・フルーツ)たち」と表現されていたのには笑いました。いかにも! でも1作ごとに1人ずつ増えるのが恒例となってますが、今回増えるのは直接の弟 or 妹ではありませんでした。赤ん坊が増えるのには変わりないんですけどね。そしてその赤ん坊につけられた名前は「天使だね(セ・タン・ナンジュ)」。このネーミングセンス、フランス人がどう受け止めているのか聞いてみたいところです。
そしてこのシリーズ、2作目までは本国フランスのミステリ系の出版社から出てたのが、この3作目から文学系の出版社に移ったのだそう。確かにミステリ(というよりエンタメ系かも)なんですけど、私もなんだか「文学」のカテゴリに入れたい気がしてたんですよね。だからとっても納得。まあ、これが本当に「文学」なのかと言われると、答えに困ってしまうのですが...。(白水社)


+シリーズ既刊の感想+
「人喰い鬼のお愉しみ」D.ペナック
「人喰い鬼のお愉しみ」「カービン銃の妖精」ダニエル・ペナック
「散文売りの少女」ダニエル・ペナック
「ムッシュ・マロセーヌ」ダニエル・ペナック

+既読のダニエル・ぺナック作品の感想+
「片目のオオカミ」ダニエル・ペナック
「カモ少年と謎のペンフレンド」ダニエル・ペナック
「奔放な読書」ダニエル・ぺナック

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Commentaires(2)

四季さん、こんばんはー。
読みましたよー、「散文売りの少女」。
途中までなぜ散文売り??と思ってたんだけど、ザボ女王のことだったんですね。
ま、だから何?って話ではありますが。笑
日本でいえば、舞城さんとかもそうだなぁ、と思うんですけど、人は死ぬし、警察も出てくるけど、
こりゃミステリではないですよね。
んな無茶なー、な解決策でしたが、良かったです、面白かった!

さっそくラスト四作目も予約しちゃいました♪
セ・タン・ナンジュ。
日本人的には響きもよく感じるんですが、ほんと、どうなんでしょうね。
こんな名前はさすがにないのかしら。
「天使だね」ちゃん、ですもんねえ。笑

つなさん、こんにちは!
おおー、読まれましたか。
そうそう、ザボ女王のことだったんですよね。>「散文売り」
あのエピソード自体は結構好きだったんですけど
題名にするほどでもないんじゃ?と思ったり…
でもまあ、本がテーマなのでいいのかな。(笑)
今回分厚くてビビりますけど、1冊目に比べたらものすごく読みやすいですよね!
確かに「んな無茶なー」でしたが、面白かったです。^^

4作目も面白かったですよー。早く届くといいですね。
セ・タン・ナンジュ… どうなんでしょう。
確かに音の響きはいいですけど、これだけでフルネームみたいじゃありません?(笑)
「天使」ちゃんだけでもいいと思うのに、「だね」をつけてしまうネーミングセンス。
日本人にはちょっとないですよね~。(笑)

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