「ムッシュ・マロセーヌ」ダニエル・ペナック

Catégories: /

 [amazon]
ベルヴィル最後の映画館・ゼブラ座の舞台でバンジャマンたち総勢18人が夕食のテーブルを囲んでいた時、ゼブラ座のドアをノックする音が響きます。それは28ヶ月ぶりに帰還したマロセーヌ一家のママ。しかしパストール刑事との28ヶ月にわたる逃避行にも関わらず、ママのおなかはぺったんこだったのです...。

マロセーヌシリーズ第4弾。これが一応シリーズ最終巻となります。
前回は本の話だったんですけど、今回は映画。映画にまつわる話がいっぱい。たとえば「執行吏のラ・エルスは二度ベルを鳴らした。」なんて文章があったんですけど、これって「郵便配達は二度ベルを鳴らす」ですよね。きっともっといっぱいあったんでしょう。私にはあまりよく分からなかったけど。
そして今回はいつも以上に謎がいっぱい。まずは、これまで駆け落ちするたびに1人ずつ赤ん坊を産んできた「ママ」が、今回はおなかがぺったんこのまま帰ってきた謎。一緒に逃避行してたはずのパストール刑事はどうしたのかな? 2人の仲が破局して「ママ」が帰ってきたのか、それとも...? そしてチアン刑事の娘・ジェルヴェーズが世話をしていた売春婦たちが消えた謎。刺青のコレクションと殺人鬼の謎。聖女の妊娠の謎。シリーズ最終巻に相応しく1冊目「人喰い鬼のお愉しみ」からの登場人物が勢揃いで、所狭しと動き回ってます。これまでも血塗れの死体が散乱してたんですけど、今回はさらにすごいし...。時々、さすがにこれはないでしょ!という展開にびっくりしてたら、それはジェレミーが作り出したお話だったりして、一体どこからどこまでが物語の中の真実なのか分からなくなってきちゃう。もうほんとタチが悪いなー。もしかしてこれまで読んできた話は全部ジェレミーの創作だった? なーんて訳が分からなくなりつつも、面白さとしてはこのシリーズの中では1番だったかも。うん。やっぱり面白いです。読みやすいとは言いがたいけど(これは翻訳のせいではないです! これは絶対に原文がはちゃめちゃなんです)、このアクの強さはすっかりクセになっちゃうんですよね。これでシリーズは一応終了なんですが、本国では番外編の小品が3作ほど出ているようですね。またいずれそちらも読めるといいな。(白水社)


+シリーズ既刊の感想+
「人喰い鬼のお愉しみ」D.ぺナック
「人喰い鬼のお愉しみ」「カービン銃の妖精」ダニエル・ぺナック
「散文売りの少女」ダニエル・ぺナック
「ムッシュ・マロセーヌ」ダニエル・ペナック

+既読のダニエル・ぺナック作品の感想+
「片目のオオカミ」ダニエル・ペナック
「カモ少年と謎のペンフレンド」ダニエル・ペナック
「奔放な読書」ダニエル・ぺナック

| | commentaire(2) | trackback(1)

Trackbacks(1)

「ムッシュ・マロセーヌ」ダニエル・ペナック へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

ムッシュ・マロセーヌ(2008/08)ダニエル・ペナック商品詳細を見る 赤ん坊が一人ずつ増えていくこのシリーズ。今度の子どもは、なんとバンジャマ... » Lire la suite

Commentaires(2)

四季さん、こんばんは。
番外編も、ぜひ出して欲しいですよね。
すっかり、「一家」の虜に…。笑

今回は登場人物も多かったですよね~。
まぁ、その分、ザボ女王とか、活躍してない人も多いですけど。
一作目ではあんなに苦労していたのに、一応「おなじみ」と認識できる人たち
に関しては、そう苦労しなかったかも。
今回、私が分かり辛かったのは、老ジョブ、マティアス、バルナベの関係。
三世代だなんてー!、という感じでした。笑
せいぜいがとこ、親子くらいまでしか認識出来ない…。

バンジャマンってば産休中だし、最初は生贄の山羊的な部分の少なさに物足り
なさ(?)も覚えましたが、後半のジェレミーの語りなどでお釣りがきましたかね。
ちびの登場シーンにも度肝を抜かれましたが、ジェレミーも凄かったですよね。笑

つなさん、こんにちはー。
番外編、ぜひ1冊にまとめて欲しいですよね。
フランスではものすごく人気らしいのに4部作でおしまいだなんて。
あ、その後読んだ「カモ少年」のシリーズも4部作らしいんです。
4部作好きなのか、ダニエル・ペナック!!

>一作目ではあんなに苦労していたのに
あの苦労がなんだか懐かしいですよね。(笑)
あの最初のハードルが日本人にとっては高すぎるぐらい高いと思うんですけど
苦労するのは1冊目だけで、次からは不思議なぐらいすらすら読めちゃう。(笑)
そうそう、今回はジェレミーが凄かったー。
そして老ジョブ、マティアス、バルナベに関しては確かに!
しかも「結局あれは何だったんだ?」という3人でしたよね。(笑)

「カモ少年」は、とっても普通の雰囲気で、逆にびっくりでしたよ。
「片目のオオカミ」いいお話だったので、つなさんもぜひ~。

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.