「新アラビア夜話」スティーヴンスン

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3月のある晩のこと。ロンドンに滞在していたボヘミアのフロリゼル王子は、ジェラルディーン大佐と共に変装して牡蠣料理屋へ。面白そうな人間との出会いもなく、早くもその晩の冒険に飽き始めていたフロリゼル王子ですが、その時、店に1人の若者が勢い良く入って来ます。若者は、クリームタルトを盛った大皿を抱えた2人の供を連れていました。

「ジキル博士とハイド氏」や「宝島」で有名なスティーヴンスンの作品。ヴィクトリア時代のロンドンをアラビアの都・バグダッドに見立てて、ボヘミアの王子・フロリゼルと腹心のジェラルディーン大佐のお忍びの夜の冒険を描いたというオムニバス形式の短編集です。この2人が「千夜一夜物語」の教主(カリフ)・ハルン・アル・ラシッドと腹心の大宰相になぞらえられているんですね。
7つの短編が収められているんですが、実際には「自殺クラブ」と「ラージャのダイヤモンド」の2編。いかにも古い時代のロンドンといった雰囲気がとてもいい感じだし、フロリゼル王子とジェラルディーン大佐のコンビが好き~。でもせっかくのお忍びの冒険が「自殺クラブ」の方だけとは残念。「ラージャのダイヤモンド」も、オムニバス形式がうまく生かされてて面白い作品なんですけど、こちらでは最後にフロリゼル王子が出てくるだけで、ジェラルディーン大佐は登場しないんですよね。しかも変装してないし! お忍びの冒険じゃないし! となると「自殺クラブ」の方が面白かった、となりそうなところなんですけど... こちらは大佐が気の毒で、一長一短。(それでもやっぱり「自殺クラブ」の方が好きかも)
王子と大佐のお忍びの冒険をもっと読みたかったな。でも発表された当時はあまり評判が良くなくて、スティーヴンスン自身もこの作品にあまり重きを置いてなかったようですね。最後の最後でフロリゼル王子が意外な展開となってしまうし...。これはもっと冒険を重ねてからにして欲しかった。でもそんな展開になった後の「続・新アラビア夜話 爆弾魔」という作品もあるんだそうです。こちらは夫人ファニーとの合作だとか。南條竹則さんが(この本の訳者は南條竹則さんなんです)、こちらも訳して下さったらいいのになー。(光文社古典新訳文庫)


+既読のスティーヴンスン作品の感想+
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「ジーキル博士とハイド氏」スティーヴンスン

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