「比類なきジーヴス」P.G.ウッドハウス

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ジーヴスは、ありとあらゆる点でとてつもなく有能な執事。主人のバーティーが目が覚めたきっかり2分後に完璧なミルクティーを持って現れ、主人に質問される全てのことに適切に答え、適切な助言をするのです。そんなある日のこと、公園に散歩に出かけたバーティーは、旧友のビンゴ・リトルに出会います。春になると永久不変に誰かと恋に落ちるビンゴは、その時もメイベルという名のウェイトレスに恋をしていました。身分違いのメイベルと何としても結ばれたいと考えていたビンゴは、現在収入面で頼り切っている伯父に穏便に結婚を認めさせる方法をジーヴスに尋ねてくれとバーティーに頼み込みます。

色んなブログで面白いという評判は目にしていたし、オススメもされていたんですが、ようやく読めました!
いやあ、噂にたがわず面白かったです~。なんとなくもっと文学寄りなのかと思い込んでたんですけど、そうではなかったんですね。すらすら読めてしまうエンタメ作品。英国独特なシニカルなユーモアが満載。この「比類なきジーヴス」は、元々短編だったものを編集・加筆して長編小説の体裁にしたものなんだそうで、確かに読んでみると連作短編集みたいだし、基本的な展開はどれも一緒なんですね。バーティーが失敗して、ジーヴスが得意の機転でその窮地を切り抜けるというパターン。そこにアガサ伯母さんや、従弟のクロードとユースタス、ビンゴの恋の相手たちが彩りを添えてます。バーティーが自分で危機を切り抜けたと思っても、必ずその裏にはジーヴスの活躍があるんですねえ。でもそんな完全無欠なジーヴスにも、時折ご主人さまに冷たくなることがあるんです。それは大抵、決して趣味がいいとは言えないバーティーの服装センスが原因というのがまた可笑しい♪
普通に読むだけでも十分楽しいんですが、先日読んだ新井潤美さんの「階級にとりつかれた人々」のおかげで少し理解度が増したかな? このジーヴスが、ロウアー・ミドル・クラスのヒーローだというわけですねー。多分アッパー・クラスのステレオタイプとして描かれているバーティーやビンゴのあり方にも、ビンゴの恋人(ウェイトレス=ロウアー・ミドル・クラス?)に対する反応にも納得です。でも、バーティーが自分のことをシャーロック・ホームズになぞらえる箇所にだけは違和感が。シャーロック・ホームズの連載も、確かロウアー・ミドル・クラスが購読する新聞か雑誌だったと思うのだけど~?(国書刊行会)

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そうなんです、しっかりエンタメなんですよねえ。
しかも、偉大なるマンネリズムも感じられるという♪
続けて読むと飽きちゃうかもなー、だけど、時々読んでくすっとしたいシリーズですよね。

イギリス人のミステリといえば、四季さん、グラディス・ミッチェルは読まれたことがありますか?
私も「ウォンドルズ・パーヴァの謎 」という一冊しか読んだことがないんですが(ほんとは、
ミセス・ブラッドリーシリーズというものがあって、その内の一冊らしい)、ジーヴス物のような愉快さ
はないんだけど、いけすかない精神科医の老婦人が探偵役というちょっと変わった作りで、私は面白く
読みました~。

四季さん、こんばんは。
「ジーヴス&バーティー・シリーズ」の世界へようこそ(笑)
しょっちゅうスープに漬かってしまうバーティーだけれど、
多くの場合原因はバーティー本人にあるのではなく、
周囲がバーティーを無理矢理巻き込んで
結局一緒にスープに漬かってしまうわけで。
そのへんの「いい人」っぷりと
「愛されキャラ」がなんとも微笑ましいなーと思います。

新井潤美「階級にとりつかれた人々」
これ、気になっていて現在、積んでます。
ジーヴス最新刊を読む前に、これを読まなきゃ。

>つなさん
確かに続けざまに読もうとは思わないですね。
これは時々思い出したように手に取って読むのが似合いそうだし
多少間があいてても、いつでもすんなりこの世界に入り込めそうです。
偉大なるマンネリズム万歳!
そういう時は、読者の方が飽きないようにすればいんですよね。(笑)

グラディス・ミッチェルは全然知りませんでした! 1冊も読んだことないです。
調べてみると、作品が色んな出版社からバラバラに出てるようなんですけど
これは大体そのミセス・ブラッドリーシリーズなのかしら…
いけすかない精神科医の老婦人が探偵役だなんて、面白そう!
今度探してみますね。ありがとうございます。

>菊花さん
おおー、菊花さんも読んでらしたのですね。歓迎、ありがとうございます♪
あ、うん、確かにバーティは巻き込まれ型ですね。
上で「バーティーが失敗して」なんて書いちゃったけど、常にその前段階がありますものね。

ジーヴスには散々なこと言われちゃってますけど、あの地の文章はバーティの語り。
オックスフォード出てテニスン引用してるのは別にしても(笑)
ただの馬鹿だなんてことあり得ないですよね。そしてそここそがポイントなのではないかと。
ちょっと人が良すぎるだけなんですよね。(笑)

>「階級にとりつかれた人々」
実際にジーヴスについて書かれてる部分はちょっとだけなんですけどね。
他の部分も面白いので、ぜひ一度手に取ってみてください。^^

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