「インシテミル」米澤穂信

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夏休み。サークルの会合まで時間があいていた結城理久彦は、コンビニでアルバイト情報誌を見ることに。女にもてるためには車が欲しいと考えていたのです。そこで出会ったのは、結城とは明らかに違う世界に住んでいると思われる上品な女性・須和名翔子。須和名もまたアルバイトを探していました。2人で短期アルバイトのページを繰るうちに、どう考えても誤植としか思えないような条件を提示しているアルバイトを見つけることになります。ある人文科学的な実験の被験者として7日間隔離され拘束されるだけで、時給11万2000円をもらえるというのです。

いやあ、久しぶりにベタなほどミステリらしいミステリを読みました。舞台は「暗鬼館」だなんていかにもなネーミングのクローズドサークル。その見取り図もいかにもな作りだし! そこここに思わせぶりな趣向が凝らされてるし、ネイティブアメリカンの人形が12体用意されてるこのが「そして誰もいなくなった」的展開を予想させます。副題が「THE INCITE MILL」なんてなってるところは森博嗣作品みたいだけど、登場人物が妙な実験に「INしてみる」とも読めるし、古今東西のミステリに淫してきたミステリ好きが、思いっきり自分好みのミステリ的舞台と自分好みのミステリを作り上げることに淫してみたって感じにも取れますね。そして、せっかくだからそういうお遊びに読者も「淫してみる」?といったところでしょうか。(笑)
時給11万2000円って、なんて半端な... と思いましたが、そういうことだったのね。その辺りまでわざとらしくて、それが逆に可笑しい。しかも終盤のあの役割反転。これは予想してなかったのでびっくりです。ミステリ好きさんなら、色んなところでニンマリできそうですよー。(文芸春秋)


+既読の米澤穂信作品の感想+
「春期限定いちごタルト事件」米澤穂信
「犬はどこだ」米澤穂信
「クドリャフカの順番 『十文字』事件」米澤穂信
「夏期限定トロピカルパフェ事件」米澤穂信
「ボトルネック」米澤穂信
「遠まわりする雛」米澤穂信
「インシテミル」米澤穂信
Livreに「氷菓」「愚者のエンドロール」「さよなら妖精」の感想があります)

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著者:米澤 穂信 出版社:文芸春秋 紹介文: これは面白かったです。 一度行ってみたいと思っている"ミステリーツアー"に参加したような気分。 ... » Lire la suite

Commentaires(4)

面白かったですよね!
本当にベタなクローズドサークルで。
一生懸命考えながら読んでたのですが、やっぱり騙されてしまいました(笑)
探偵にはなれそうもありません。

fumikaさん、こんにちは!
これほどベタなクローズドサークルを作ってくれると
逆に楽しくなってきちゃいますよね。嵐の山荘、大好きなので~。
でも私も見事に騙されました。
探偵の横で「そんなまさか!」と叫ぶのが適役かもしれません。(笑)

こんばんわ。
ベタな本格、ワクワクしましたね。
さまざまな趣向にニンマリしながらも、登場人物と同じくらい恐怖を味わいながら読んでしまいました。
時給11万2000円のバイトかぁ。
ちょっとだけ参加したい気も(笑)

ia.さん、こんにちは~。
ほんと、ミステリ好きならワクワクせずにはいられない作品ですね!
実際に自分があの場にいたら耐えられないと思うんですけど
本を読んでる限り、わ~悪趣味~♪ なんて言ってられるし。(笑)
おお、ia.さんは参加したい気も?! すごい!
でも時給11万2000円のバイトは、確かに美味しいですよね。うん。

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