「ボクたちクラシックつながり」青柳いづみこ

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「音楽と文学の対位法」が新聞書評に取り上げられていた時に引き合いに出されていたのは、「のだめカンタービレ」の中の千秋の「楽譜どおりに弾け!」という台詞。その台詞がきっかけになって、青柳いづみこさんは「のだめカンタービレ」を読むことになったのだそうです。そしてさらに一色まこと「ピアノの森」、さそうあきら「神童」を読むことに。それらの作品は実際にクラシックに携わっている人々にきちんと取材調査した上でかかれたもの。「クラシック界のジョーシキは社会のヒジョーシキ」と言われるほど特殊なしきたりの多いクラシックの世界を、そういった漫画作品を通じて分かりやすく紹介していく本です。

私自身は「のだめカンタービレ」しか読んでないんですけど、メインに取り上げられているのが「のだめ」だったので、すごく面白かったです~。初見や暗譜、楽譜通り弾くという部分はまあ自分の経験からも多少は分かるんですけど、コンクールや演奏会、留学、そしてオーケストラとなるとまるで知らない世界ですしね。この本は、「のだめ」の解説書としてもすごく面白く読めるし、「のだめ」が実はとてもきちんと描かれた作品だということも分かります。のだめの弟が言っていた「不良債権」のこと、のだめのためのハリセンやオクレール先生の選曲のこと、そしてお父さんに愛されなかったのかもしれないターニャとお母さんに愛されすぎたフランクの違い、そして指揮者とオーケストラの関係のことなどなど、とても面白かったです。のだめの弾いている曲は、どれもとてものだめらしかったのですねー!!
そしてもちろん「のだめ」の話ばかりではありません。のだめ以外の話の中で特にへええと思ったのは、国際コンクールは「男の子は音楽なんてやるもんじゃありません!」と反対する親を説得する手段に使われているらしい、ということ。第一回ジュネーヴ・コンクールで優勝したミケランジェリも、第一回ブゾーニ・コンクールで4位入賞したブレンデルも、1960年のショパンコンクールで優勝したポリーニも、家族にピアニストになることを反対されていて、コンクールで優勝もしくは入賞してようやくピアニストになることを許されたんですって。びっくり! 他にもコンクールで弾く時は審査員を敵に回さない弾き方をしなければいけないこととか、青柳いづみこさんご自身の経験を踏まえた留学のエピソードとか... 私も知ってるピアニストの名前も色々登場して、その辺りも興味深かったです。
「のだめ」を愛読してる人にはきっと面白いはず! ぜひぜひ♪(文春新書)


+既読の青柳いづみこ作品の感想+
「モノ書きピアニストはお尻が痛い」「ショパンに飽きたら、ミステリー」青柳いづみこ
「水の音楽 オンディーヌとメリザンド」青柳いづみこ
「ボクたちクラシックつながり」青柳いづみこ
「ピアニストは指先で考える」青柳いづみこ
「指先から感じるドビュッシー」青柳いづみこ
「ピアニストが見たピアニスト」青柳いづみこ
「六本指のゴルトベルク」青柳いづみこ

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