「牢の中の貴婦人」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ

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ふと気が付いたら見知らぬ人々の中におり、ヒルダという女性の衣装を借りて着替えた途端、男達に捕まり、石の砦の牢獄に閉じ込められることになってしまったエミリー。どうやら、彼らの反対勢力にある貴族の女性に間違えられているようなのです。しかし実際には、エミリーはケント育ちの27歳の普通の女性。牢番などの話から、エミリーは自分が陥った状況を知ろうとするのですが...。

「海駆ける騎士」もデビュー前の作品だったそうですが、これはもっと古い作品。そんなものまで引っ張り出してきて出版してるなんてー。そろそろネタ切れなんですかね? この勢いでタニス・リーとかパトリシア・A・マキリップの訳も出してくれたらいいのにー。

エミリーは何が何だか分からないまま牢獄に入れられたんですが、読者も何が何なのか分からないまま読み進めることになります。すぐに分かるのは、この国の2大勢力の争いに巻き込まれたらしということだけ。でも、牢獄とは言っても暗くて湿っぽい地下牢みたいなのではなくて、貴婦人用のもの。きちんと家具も暖炉もある部屋なんです。寝室なんてものまであるんですから! そしてこの部屋のバルコニーから見かけた、別の牢獄に囚われているハンサムな男性と恋に落ちるわけなんですが...
まあ牢番の目を盗んで手紙のやり取りをするとか、彼の息子が来て一波乱あったりとかするんですけど、とにかく同じ場所ばかりだし、なかなか事実が判明しないし、事態も動かないので、読んでてだんだん飽きてきてしまいました...。そもそも、本当にあらすじに書かれてるように異世界にいるのかどうかも分からないんですから。

訳者あとがきによると、この作品はDWJが「王の書」を読んでいた時に触発されて書いた作品なのだそう。「王の書」はスコットランド王ジェームズ1世が囚われの身になっていた時に遠くに見かけた娘に恋をして書いた詩で、その恋愛をDWJは娘の立場から書いたというわけなんですね。なるほどー、そういうことだったのか。でもこういう結末になるのはともかくとして、この終わり方ってどうなのよ? なんだかいかにも習作って感じで中途半端。せめて最低限の説明ぐらいはしてくれなくちゃ困っちゃう。どうせ出版するなら、もっときちんと手を入れてからにして欲しかったな。

これで母から回ってきた本も終わりかな? 改めて見ると、この表紙、目玉焼きみたいですね。(笑)(創元推理文庫)


+既読のダイアナ・ウィン・ジョーンズ作品の感想+
「魔法使いハウルと火の悪魔」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「アブダラの空飛ぶ絨毯」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「デイルマーク王国史」1~4 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「わたしが幽霊だった時」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法使いはだれだ」「クリストファーの魔法の旅」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔女と暮らせば」「トニーノの歌う魔法」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法がいっぱい」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
留守中に読んだ本(18冊)(「マライアおばさん」「七人の魔法使い」「時の町の伝説」の感想)
「呪われた首環の物語」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「花の魔法、白のドラゴン」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「いたずらロバート」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ダイアナ・ウィン・ジョーンズのファンタジーランド観光ガイド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バウンダーズ」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「星空から来た犬」「魔空の森ヘックスウッド」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「バビロンまでは何マイル」上下 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ウィルキンズの歯と呪いの魔法」「海駆ける騎士の伝説」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「うちの一階には鬼がいる!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法!魔法!魔法!」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「ぼくとルークの一週間と一日」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「牢の中の貴婦人」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「魔法の館にやとわれて」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
「キャットと魔法の卵」ダイアナ・ウィン・ジョーンズ
Livreに「ダークホルムの闇の君」「グリフィンの年」「九年目の魔法」の感想があります)

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こんにちは。またお邪魔します。YO-SHIです。

この本を読んで同じように思いました。(目玉焼きのことじゃないですよ(笑))
デビュー前の作品を、今頃単独で出版するのは、どうかと思います。

ところで、私が以前コメントしたブログで、偶然に訳者の原島文世さんの
レスをいただきました。もしよろしければ、ご覧になってください。

あべともよの活動日記
http://tomoyo.cocolog-nifty.com/
 

YO-SHIさんのところでもこの本の紹介を見ましたが、
その時からずっと目玉焼きにしか見えてませんでした。笑
(何も考えてなかったんですねー^^;)

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ、1冊積んであります♪
昨日届いたばかり…読むのが楽しみです◎

こんにちは。
主人公の恋に対する臆病さなんかは面白く読めたのですが、やっぱり私も結末が・・・(苦笑)
その後を考えて悶々としてしまいました。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズはまだ未読の作品がいっぱいなので、これからゆっくりと読んでいこうと思います。

>YO-SHIさん
YO-SHIさんのところのお返事を拝見して
そうか、短編集の中の1つとして刊行されていたのか!
と、そこですごく納得しました。
そういう位置づけだったら、世に出たというのも分かりますね。
でも1本の長編としてだと、やっぱりちょっとツライものが…。

教えていただいたブログ、見てきました!
ごきょうだいなんですね。
訳者さんも「まさかこれで終わらないよね!?」だなんて
なんだか親近感が湧いてしまいます。(*^^*)

>liquidfishさん
本の実物を見た時は、目玉焼きとは思わなかったんですよ!
でもこの画像を見ると、そうとしか思えない…
というのは、きっとこの大きさが絶妙なんですね。(笑)
実物ではきちんと人物像に見えますが、こっちだと細かくなっちゃうから。

ダイアナ・ウィン・ジョーンズは何が届いたのでしょう~?
感想を拝見するのがとっても楽しみです。^^

>fumikaさん
やっぱりfumikaさんもでしたか~。
その後を考えて悶々としてしまう人、多そうですよね。
あのまま… だなんて思いたくないです!

ダイアナ・ウィン・ジョーンズは楽しい作品がいっぱいですが
fumikaさんには「星空から来た犬」なんていいかも!と今思いました。
これもすごく素敵なお話なんですよ。
もし未読なら、一度手に取ってみてくださいね。
(既に読まれてたらごめんなさい)

またまたこんにちは。

やっぱりみなさん、ラストには戸惑っておられますね。
はい、私も欲求不満です。
DWJの過去の作品もいいのですが、新作3冊も翻訳を希望します!

きゃろるさん、またまたありがとうございます♪
あの終わり方じゃあ戸惑うのも無理もないですよね。
これは本当に完成した作品だったのかしら? なんて思っちゃいます。
あと1ページでも書いてくれれば、また全然違う印象になったでしょうに…

新作もきっと近いうちに刊行されるのでしょうねー。
クレストマンシーの新作が早く読みたいです!

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