「セルフ・ヘルプ」ローリー・ムーア

Catégories: / /

[amazon]
「互いにベージュ色の高価なレインコートに身を包んで出会いましょう。豆スープのようにどんよりした霧の夜に。まるで探偵映画もどきに。」という文章で始まる「別の女になる方法」他、「離婚家庭の子供のためのガイド」「母親と対話する方法」「作家になる方法」など全9編。

これはハウツー本の文体で書かれた小説、ということでいいのかな。どれも内容的には結構スゴイことが書かれてるのに、文章がとにかく淡々としてるので、なんだかまるでごく普通の事務的な説明を受けているだけのような錯覚に陥ってしまうという、とっても不思議な作品です。
とにかく淡々... たとえば「作家になる方法」の冒頭はこんな感じ。

作家になるためには、まず最初に、作家以外のものになろうとしてみることです。どんなに途方もないものでもいいのです。映画スターと(か)宇宙飛行士。映画スターと(か)宣教師。映画スターと(か)幼稚園の先生。世界大統領、大いに結構。そしてミジメな挫折を味わうことです。早ければ早いほどいいのです。十四歳で挫折を知るなんて理想的。早いうちに決定的に幻滅することが、くじけた夢に関する長い俳句を十五歳でひねり出すのに必要な条件なのです。

ちょっと面白いでしょう? ハウツー物を小説にしてしまうなんて、アイディアですよねえ。全編こんな感じで物語が始まるんです。
表面に現れてるのは、シニカルなユーモアセンス。でも基本的に不倫とか離婚とか挫折とか死がテーマになっているので、奥底から寂しさや絶望感が滲み出てくる感じ。でも面白いとは思うんだけど、純粋に好みかと言えば、あまり好みではなかったかも。例えばアメリカ人が読むと、私が今読んでいるよりももっとすごく面白く感じるんだろうな、なんて思っちゃうんですよね。そんな、いかにもアメリカ~なユーモアセンス。そうでなくてもユーモア物って難しいのに。その時の自分自身との波長が合うかどうかというのも、かなり重要ポイントになってきますしね。日本物のユーモアだって合う合わないが激しいのに、ましてや外国物ときた日には、って感じかな。(白水uブックス)

| | commentaire(0) | trackback(0)

Trackbacks(0)

「セルフ・ヘルプ」ローリー・ムーア へのトラックバック一覧:

URL TrackBack de cette note:

コメントする(要JavaScript)

Note


MAIL FORMBBS

購読する ATOM


Powerd by MovableType4.24-ja
Copyright 2004-2011 四季. All rights reserved.