「森ゆく人」アーダルベルト・シュティフター

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オーストリアとボヘミアの両国が接する辺りに広がるボヘミアの森、そしてモルダウ川の近くにあるトイフェルスマウアーの峡谷に、かつて好んで森を訪ねることから「森ゆく人」というあだ名のついたゲオルグ老人が暮らしていました。彼は森番のライムント一家と親しくなると、森番の1人息子のジミを連れて森の中を歩き回り、読み書きを教えるようになります。

この物語の舞台は、シュティフターの故郷なんでしょうね。ボヘミアの情景がまるで風景画のように描写されていきます。でもそういう描写はいいんだけど、ちょっとばかり長すぎるのではないかしら... 物語そのものよりも、そちらに重点を置かれているように感じられるほどなんですもん。シュティフター自身の感傷? 20ページほど読んで、ようやく話の中心となる「森ゆく人」が登場。一時はどうなることかと思いました...。
この「森ゆく人」は、最初に登場した時には既に老人なんです。まるで隠者のような落ち着きを見せているので、いつものように穏やかな流れの物語となるのかと思ったのですが、そうではありませんでした。今回は自然の情景があくまでも美しいままで、その恐ろしさを見せなかったからなのかしら。そして後半は「森ゆく人」となるゲオルグの半生の物語。
この半生の物語がメインだと思うし、短い幸せの日々と大きな後悔の話はなかなかいいんだけど... でもどうなんだろう。なんだか全体にもう少し構成しなおした方がいいような。と思ってしまったのでありました。半生の物語に突っ込みを入れるのはその後で、という感じ。(松籟社)


+既読のシュティフター作品の感想+
「水晶 他三篇 石さまざま」シュティフター
「森の小道・二人の姉妹」シュティフター
「晩夏」上下 シュティフター
「ナレンブルク 運命に弄ばれた人々の城」A.シュティフター
「石さまざま」上下 アーダルベルト・シュティフター
「森ゆく人」アーダルベルト・シュティフター
「書き込みのある樅の木」アーダルベルト・シュティフター

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Commentaires(2)

四季さん、初めまして☆
何度も訪問させていただいているのですが、コメントは初めてになります。
本当に、ステキな本ばかりを読んでおられていて…いつもいつも、楽しく拝見させていただいています。
シュティフターですが、同じ松籟社さんからコレクションの第4弾、『書き込みのある樅の木』が年末に出ましたね!
タイトルになっている短篇は、ずっと読みたいと思っていたものなので今から楽しみにしています。
来年は、もっともっと、シュティフターのファンが増えてくれますように♪ 松籟社さんには頑張ってもらいましょう(笑)

チョコちょこさん、はじめまして!
何度も見に来て下さってるなんて、ありがとうございます~。
お返事がすっかり遅くなってしまってごめんなさい。

わ、シュティフターコレクションの4冊目が出てましたか!
そろそろなのかなと思ってたんですけど、もう出ていたとは!
チョコちょこさんはもう実物を見られたんですね。
いいなあ、私も早く入手したいです。読むのがほんと楽しみ♪
教えて下さってありがとうございます。

ほんと、松籟社さんには頑張っていただきたいですね~。
そして私もマメにシュティフター作品の感想を書いて
微力ながらも知名度アップに貢献したいと思います。(笑)

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