「ゴッケル物語」クレメンス・ブレンターノ

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ドイツのとある荒れ果てた森の中の古い城に住んでいたのは、ゴッケル・フォン・ハーナウという名の老人。ゴッケルにはヒンケルという妻と、ガッケライアという娘があり、3人は古い城の鶏小舎の中に住んでいました。かつてはドイツの中で最も立派な城の1つだったこの城は、ゴッケルの曽祖父の時代にフランス軍によって叩き壊され、当時飼われていた見事な家禽も食い尽くされ、それ以来荒れるにまかされていたのです。ゴッケルの曽祖父も父親も隣国ゲルンハウゼン王家の雉及び鶏の守として仕えており、ゴッケルも同じ役職につくものの、桁外れに卵好きの王に卵の浪費を強く訴えたため、王の怒りを買って宮廷から追放され、荒れ果てた父祖伝来の城に住むことになったのです。ゴッケルたちに従うのは、牡鶏のアレクトリオと牝鶏のガリーナのみ。ゴッケルは養鶏で生計を立てようと考えるのですが...。

岩波文庫版でも出ているのでそっちでもいいかなあと思ったんだけど... とは言っても、それもすっかり廃版になっちゃってるんですけど(笑)、やっぱり矢川澄子さん訳が読みたいなあと王国社版をセレクト。いえ、本当は妖精文庫のが入手できればそれが一番なのですが!
人間の言葉を理解する鶏、何でも願いの叶うソロモンの指輪、親切にしてやった鼠の恩返しなどなど、童話らしいモチーフが満載なんですが、昔ながらの童話とはやっぱりちょっと違いますね。同じドイツでも、グリム童話とは実はかなり違うかも! そういった伝承の童話の持つ雰囲気をエッセンスとして持ってるんですけど、それはあくまでもエッセンス程度で、むしろ現代の物語という感じです。これは19世紀はじめ頃に書かれた作品なんですけど、当時はとても斬新な作品だったのではないかしら。結構凝った作りだと思うんですけど、すっきりまとまっていて、読みやすかったし面白かったです。矢川澄子さんの訳だから、読みやすいのは当然なんだけど♪ 特に驚いたのはその幕切れ。鮮やかですね!
でも原書のドイツ語には、ふんだんに言葉遊びが施されてるんですって。登場人物の名前も遊び心たっぷりなのだそう。さすがに日本語訳では、そこまでは分からないんですよね。それだけがちょっぴり残念。(王国社)

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