「イギリス幻想小説傑作集」由良君美編

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社交界の花・サノックス卿夫人と名外科医・ダグラス・ストーンの仲は公然の秘密。しかし夫人がある日突然きっぱりと修道院に入ってしまったことから、いたるところで噂話が飛び交います。しかもその時、ダグラス・ストーンは泥酔してうつろな笑いを浮かべながら従僕と共にベッドに腰掛けていたというのです... というアーサー・コナン・ドイル「サノックス卿夫人秘話」他、全12編の収められた短篇集。

ええと、今年ぜひとも読みたいと思っている幻想文学なんですが... この本の「幻想」って「幻想」というより「怪奇」? 幻想味はあるんだけど、それが不気味な方向に出てる作品が多かったです。面白い作品は結構ありましたが、幻想という意味ではどうなんだろう。ホラー系は基本的にあまり得意ではないので、怖くなりすぎたらどうしよう、と読みながらドキドキしてしまいました。初っ端のコナン・ドイルからして、結構怖かったんですよぅ。

この中で私が好きだったのは、嵐の日に風に飛ばされてきた幽霊船に、村の若い幽霊たちがラム酒を飲みに通っちゃう「幽霊船」(リチャード・バラム・ミドルトン)。なんとも長閑な幽霊話で、こういうのは好き好き。それと、眠るたびに林檎の樹に覆われた谷間の情景の夢を見るという「林檎の谷」(ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ)も良かったです。一番の大きな林檎の樹の枝が分かれているところに金髪の美しい魔女が立ち、林檎を片手に歌っているんですけど、その下の谷底には男の骸がいっぱいなんですよね。さすがダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ、絵画のような美しさがありました。あと、インド版狼男話の「獣の印」(ラドヤード・キプリング)も。でもこれは子供の頃に読んだことがあるような気がする...。
読んだことがあるような気がするといえば、「屋敷と呪いの脳髄」(エドワード・ブルワー=リットン)と「ポロックとポロの首」(H.G.ウェルズ)の2作も読んだことがあるような気がします。多分、なんですけどね。エドモンド・ハミルトンの「フェッセンデンの宇宙」なんかと同じ本に入ってた、なんてことはないかしら。いずれにせよ子供の頃に図書館で借りた本だと思うので、今となってはよく分からないのだけど。(白水uブックス)


+シリーズ既刊の感想+
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Commentaires(2)

さっそく「幻想文学」に挑戦ですね。
このアンソロジーは、たしかに「幻想」よりは「怪奇」よりだと思います。イギリスはやっぱり「怪奇小説」の本場ですし。

「屋敷と呪いの脳髄」は、創元の『怪奇小説傑作集1』の『幽霊屋敷』と同じ作品なので、これでお読みになったんじゃないでしょうか。
あと「ポロックとポロの首」は、新潮文庫の『クリスマス13の戦慄』にも入っていたはず。

白水社の幻想小説シリーズでは、『スペイン幻想小説傑作集』がとても面白いのでオススメですよ。

kazuouさん、こんにちは~。
そうなんです、早速挑戦してみました。まずはイギリスかなと思って。
でも思い描いていたほど幻想的ではなく…
そうか、イギリスは怪奇小説の本場なんですね。だからなのかー。
その辺りもまだまだ分かってない私です。(ダメダメ)

2つの作品は、どちらも他のアンソロジーにも収められている作品だったんですね。
その2冊だったのかな? なんとなく子供用の本で読んだ気がしてたんですが
ある程度大きくなってから読んだのかもしれないですね。

白水社の幻想小説シリーズは、一応全部読んでみようか思ってるんですが
スペインのは、気持ちの中ではなんとなく後回しになってたんです。
kazuouさんのオススメなら順番を繰り上げて早めに読みます! 楽しみです。^^
(その前に入手しなくては、ですが)

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