「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」塩野七生

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1492年夏。シエナの街のカンポ広場で馬を走らせていたチェーザレ・ボルジア。チェーザレはあと1ヶ月で17歳という頃で、ピサ大学に通う学生。その日は、シエナの街の恒例の年中行事であるパーリオ(競馬)出場のために、練習をしていたのです。そこにローマにいる父親・ロドリーゴ・ボルジアからの書状が届きます。それは、その日行われた法王を選出する枢機卿会議コンクラーベで、チェーザレの父親が新法王に選ばれてアレッサンドロ6世となったという知らせ。そして父に呼ばれて、チェーザレもローマに向かうことになったのです。

高校の時に読んだ本の再読です。ちょっと前にタニス・リーの「ヴェヌスの秘録」(感想感想)を読んだ時に、明らかにチェーザレ・ボルジアやその妹のルクレチアがモデルとなっている人物が出ていて、その時からもう一回読みたいなあと思っていたんです。今年になって読んだマイケル・スコット「マジシャン 魔術師ニコロ・マキャベリ」(感想)にも、マキャベリが登場するだけあってこの時代のエピソードが出てきましたしね。そして高校の時になんでこの本を手に取ったかといえば、多分、川原泉さんの「バビロンまで何マイル?」がきっかけ。(笑)

チェーザレがヴァレンティーノ枢機卿として存在する時代「緋衣」、枢機卿職をおりてから野心のままに突き進む「剣」、そして父の法王が亡くなってからの「流星」と3部構成。1492年といえば、そういえばコロンブスがアメリカ大陸を発見した年なんですねえ。地球のあっちとこっちでは、こんなことがあったのか。(笑)
今回読んでいてちょっと意外だったのは、妹のルクレツィアの出番が少なかったこと。これだけだったかしら? 以前読んだ時はすごく印象に残ったような気がしてたんだけど...? 例えばダンスのシーンがあるんですけど、そういうのを自分で勝手にイメージを膨らましてしまったのかしら。そして今回いいなあと思ったのは、ドン・ミケロット。いつも影のようにチェーザレについている存在。チェーザレの右手で、彼の存在だけで誰かの死を意味すると言われる美しい青年。まあ、こうやって読むと、かなり美化されてるんだろうなって思いますが~。

以前読んだ時もものすごくさっぱりした(というか、そっけない?)作品だとは思ったし、今もそう思うんですが、「ローマ人の物語」に比べると遥かに小説らしいですね。(新潮文庫)


+既読の塩野七生作品の感想+
「ローマ人の物語 危機と克服」21~23 塩野七生
「ローマ人の物語」8~10 塩野七生 「ガリア戦記」カエサル
「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」塩野七生
「ローマ人の物語 ローマは一日にして成らず」1・2 塩野七生
「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」塩野七生
「ローマ人の物語 ハンニバル戦記」3~5 塩野七生
「ローマ人の物語 勝者の混迷」6・7 塩野七生
「ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前」8~10 塩野七生(再読)
「ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以降」11~13 塩野七生
「ローマ人の物語 パクス・ロマーナ」14~16 塩野七生
「ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち」17~20 塩野七生
「ローマ人の物語 賢帝の世紀」24~26 塩野七生
「ローマ人の物語 すべての道はローマに通ず」塩野七生

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