「ロリータ」ウラジーミル・ナボコフ

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初公判予定日の数日前に冠状動脈血栓症で死亡したハンバート・ハンバート。彼は「ロリータ、あるいは妻に先立たれた白人男性の告白録」という原稿を書き上げて弁護士に託していました。ハンバート・ハンバートとは、1910年にパリに生まれた人物。パリで1度結婚するものの離婚して渡米。下宿先のヘイズ夫人の12歳の娘・ドロレス(ロリータ)に少年時代の恋人・アナベルの面影を見て惹かれるものの、ヘイズ夫人と結婚することになるのですが...。

なぜか既視感がとても強かった作品。文庫本の裏表紙にも「ここまで誤解多き作品も数少ない」とあるし、他のところでも「思い描いているのとはまるで違う作品のはず」とか「先入観を覆される作品」みたいなことが書かれてるのを読んだことがあるんですけど、全然違いました。私が思い描いてる通りにどんどん展開していって、なんだか怖いぐらい。この作品は絶対に未読だし、映画も観たことないし、あらすじすら聞いたことないはずなのに、なぜ?!
周知の通り、「ロリータ・コンプレックス」という言葉の元になった作品なんですが、それについては、まあ「オイディプス王」と「エディプス・コンプレックス」よりは近いかなって感じですね。それより、これもまた「信用できない語り手」なんだなあという意味で面白かったです。この物語をロリータの目を通してみると一体どんな物語になるのかしら! そもそもハンバートの目を通して見るロリータは、ちょっぴり下品な小悪魔的魅力なんですけど、実際のところはどうだったのかしらーなんて思っちゃう。どうしても美少女とは思えないんですよねえ。可笑しかったのは、ハンバートがロリータと結婚して子供を作ったら、子供がニンフェットな年齢になった時に自分はまだ男盛りで... なんて考えをめぐらせてたりすること。この妄想振りが可笑しいです。外見にかなり自信があるようだけど、まだまだいけると本気で思ってるのか!(笑) それにしても「ニンフェット」って言葉はすごいですね。この言葉だけで、これほどのイメージの広がりを感じさせられてしまうなんて。
随所にフランス語の会話や言葉遊び、古今の文学からの引用がちりばめられていて、そういう意味でも面白かったです。(新潮文庫)

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Commentaires(6)

 こんばんは。 
 おひさしぶりにカキコです。
 これの映画版? を見ましたが、予想した通りに進んでいくという点では同感でした。多くの女性がこれを読んだからといってロリコンに対して誤解がとけるとか、ロリータ好きの人に好意を抱くかというとそういうことはあまり期待できず。。。ですね。
 

樽井さん、こんにちは~。
わ、映画を観てらっしゃるのですね!
今まで2回映画化されてるそうなんですけど、どちらでしょう。
キューブリック版(1962年)とエイドリアン・ライン版(1997年)とあるようですが
やっぱり新しい方なのかな。面白かったですか~?

作品自体は面白かったし、読むたびに新しい発見がありそうな気もするんですが
あまりに予想通りの展開だったので、ちょっと拍子抜けしてしまいました…
って、どんなに今どきの作品に毒されてるんだって感じですね。(笑)

 おはようございます。
 カラーで見たので、エイドリアン・ライン版だと思います。深夜放送で見ていたのでどちらか不明です。けっこう面白かったというか、主人公の異常さとロリータの計算ずくなところと適当さ加減が丁度いいバランスででていて映画としての完成度は高かったように思います。
 作品そのものからはちょっとずれますが、今の世の中、性に関しては、もっと不道徳だったり、乱れていたりするのもたくさんあるので、このくらいだと全然毒っぽくないはずのに海外だとなぜかロリコンは毒だとみなされるようですね。アメリカだと特にロリコンとかに対しては犯罪の中でも侮蔑され徹底的に制裁を加えられるとか。それだけに、諸外国からすると日本の今のアニメとかはオールロリコンみたいで、、、と眉をしかめる向きもあるとか。 
 女性は若ければいいという訳ではない筈なんだけれどねぇ。。。

樽井さん、こんにちは。ああ、深夜放送でしたかー。
1962年の映画となるとやっぱり白黒でしょうし、じゃあ新しい方なんでしょうね。
キューブリックがどんな風に撮ったのかもちょっと興味がありますが…(笑)
こういう作品の映画化って、その時代時代の色がすごく出そうだし
さすがのキューブリックも「時計じかけのオレンジ」のようにはいかなかったのでは。
(とは言っても、私は「時計じかけのオレンジ」を観てないんですが・汗)

>主人公の異常さとロリータの計算ずくなところと適当さ加減が丁度いいバランスで

ああ、なんだかとっても観てみたくなってきました。
もしかしたら原作に結構忠実なのではないかなーという予感がします。

ロリコンがアメリカではそんなに侮蔑される犯罪だったとは、知りませんでしたよ。
そういう知識もこの本を読む上では必要なことなんでしょうね。
アメリカの12歳となると、日本よりもはるかに発育が良さそうですが…(笑)

でもほんと若けりゃいいってものじゃないですよね、
なんて女性が言うと負け惜しみに思われそうで、なかなか難しいです。(笑)

 えらく古い所にコメントつけますが、今夜「ロリータ」が深夜放送でありますので一応ご報告までに。深夜2時30分から朝日放送系列だそうです。

わーーー、樽井さん、ロリータが!?
でも、書き込みを見てなくて、映画見逃しました… うわーん、残念。
とはいえ、教えて下さってありがとうございます。感謝です。

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