「ローマ人の物語 勝者の混迷」6・7 塩野七生

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紀元前146年カルタゴを滅亡させ、名実共に地中海の覇者となったローマ。しかし人間も都市も国家も帝国も、いつかは滅亡するもの。この時建国600年を経過していたローマに新たな難問が降りかかろうとしていました。第二次ポエニ戦役中に元老院に集中した権力が戦後もそのまま継続され、ローマ社会の貧富の差が拡大します。それは、かつてのように貴族に対して平民が政治上の権力の平等を求めるという段階を超えてしまっていたのです。紀元前2世紀後半のローマに現れたグラックス兄弟からマリウス、スッラの時代を経て、紀元前63年にオリエントを平定し終わったポンペイウスの時代までを見ていきます。

国外の問題が片付いたかと思えば、国内の問題が勃発するローマ帝国。「共通の敵」がいる間は強かった結束も、平和になるとお互いのことが気になってくるのはよくあること。「共通の敵」というのは、もしかしたら必要悪なのかもしれないですね。でもこの時点で既に建国から600年のこの時代だというのが驚き。日本だと徳川幕府でもこの半分の300年しか続いてないんですものねえ。
前の巻のみたいなワクワクする爽快感はないし、華やかなスキピオとカエサルの時代に挟まれてどちらかといえば地味だと思うんですけど、こういう時代をしっかり理解しておくことが、これからのローマの在り方を理解する上で重要になってくるような気もします。
それにしても、古代ローマ物は名前が同じ人物が多くて覚えにくいなーと思ってましたが、元々名前のバリエーション自体が少なかったとは。男性の個人名はガイウス、ティベリウス、グネウス、アッピウス、ルキウス、プブリウス、マルクス程度だったんですって。少なッ。で、5人目からはクイントゥス、セクストゥス、セッティムス、オクタヴィウス、デキウスって、ほんとそのまんま五郎・六郎・七郎... じゃないですか。しかも女性の個人名ともなると、家門名の語尾変化形に過ぎなかったとか。あれだけ神々の多い国なのに、しかもその神々が身近な存在なのに、その名前を借りようとは思わなかったんですね~。(新潮文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「ローマ人の物語 ローマは一日にして成らず」1・2 塩野七生
「ローマ人の物語 ハンニバル戦記」3~5 塩野七生
「ローマ人の物語 勝者の混迷」6・7 塩野七生
「ローマ人の物語」8~10 塩野七生 「ガリア戦記」カエサル
「ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以前」8~10 塩野七生(再読)
「ローマ人の物語 ユリウス・カエサル ルビコン以降」11~13 塩野七生
「ローマ人の物語 パクス・ロマーナ」14~16 塩野七生
「ローマ人の物語 悪名高き皇帝たち」17~20 塩野七生
「ローマ人の物語 危機と克服」21~23 塩野七生
「ローマ人の物語 賢帝の世紀」24~26 塩野七生
「ローマ人の物語 すべての道はローマに通ず」塩野七生

+既読の塩野七生作品の感想+
「コンスタンティノープルの陥落」「ロードス島攻防記」「レパントの海戦」塩野七生
「チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷」塩野七生

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Commentaires(6)

相変わらずはーーーやーーーいーーーー!!!w
わたしはまだロリータでハンニバルに行けてません!
頑張って追いつきます!!

この巻はちょっと地味なんですけどね。でも2冊だから。
ハンニバル、むちゃむちゃ面白いですよー。ぜひぜひ追いついて下さい!
ロリータは、あんなこと言いましたが、やっぱ泣けなかったです。(わはは)

こんにちは、YO-SHIです。

「ローマ人の物語」は単行本で読了しました。何年か前から、
毎年12月に新刊が出るので、年末年始のの恒例のようになって
いました。
文庫版は、あと3分の1ぐらい残っているようですから、
まだまだ楽しみですね。

ローマ帝国と日本を比べるには無理がありますが、似たところも
あります。日本の為政者にも読むといいのに、と思った覚えが
あります。マンガもいいのだけれど。
 

 こんばんは、樽井です。
 ローマ帝国の勝者なのに混迷していて、足の引っ張り合いや勢力ごとの内輪もめが思想や信条などをもとに身分制度も絡んで吹き出すこの辺りの話は、四季さんのおっしゃるようにのちのちのローマ帝国の衰退と瓦解を理解する上で絶対にいるあたりのことです。
 名前のこと。
 神々の名前を借りなかったのか、は斬新なご意見ですが、いわれてみればそうですよね。のちのちの時代になると、死後に自分を神様にしてしまうローマ皇帝たちも出てくるわけで、それほど神の御名が恐れ多くて借りられなかったというのもないでしょうし、どうしたことなんでしょうね。言われてみれば不思議です。
 

>YO-SHIさん
こんにちはー。お返事が遅くなっちゃってごめんなさい。
ああ、YO-SHIさんは単行本で読んでらっしゃいましたか!
年末年始、時間がある時にゆっくり取り掛かるのもいいですねえ。
少なくともこの本のあのハードカバーは、平日向きではないような気がします…(笑)
それと、以前は途中の巻をつまみ読みしてたんですけど
今回最初から読み始めてみて、通して読むのって大切だなあと思いましたよ。
なので次の巻は既読ですが、ルビコン以前・以降と続けて読むつもりです。
カエサルにはものすごく愛を感じるので(塩野さんの)楽しみです!

ほんと、こういうところから色々と学べますよね。>為政者
月並みな言い方ですが、歴史は絶えず繰り返しているわけですしね。

>樽井さん
こういうのってあれですかね。
2代目社長の時は、まだ初代社長の力が残ってるからいいとして
3代目社長の時代はその社長本人の実力が問われるとかそういうのありますよね?
そんな感じなのかなーって。
いや、建国600年にして3代目も何もない話ですけど。(笑)

名前ね、別に神々じゃなくてもいいんですけどね。
女の子なら花の名前だって使えるわけだし。
でもローマは八百万の神々の国なので、結局森羅万象全て神様の名前になるかなあって。(笑)
さすがにトップクラスの名前を借りるのはちょっと、かもしれないですけど
一神教ほど恐れ多くはないんじゃないかと思うんですよ。
名前を借りてご利益を~、なんて発想はなかったんですね。(笑)

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