「あたしと魔女の扉」ジャスティーン・ラーバレスティア

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生まれてこの方、母親のサラフィナと共に逃亡生活を送ってきたリーズン。大都市は避けて、大抵はアボリジニの集落に滞在。一番長くいた場所でも5ヶ月。大抵はもっと短くて移動につぐ移動。でも必要なことは全てサラフィナが教えてくれるし、そんな生活が気に入っていたリーズン。ところが15歳の時、その生活が終わりを告げることになります。サラフィナが自殺未遂をして、精神病院に収容されたのです。リーズンはシドニーに住むサラフィナの母親・エズメラルダに引き取られることになります。しかしリーズンは生まれてこの方、エズメラルダの邪悪さについて警告され続けてきていました。2人の逃亡生活も、邪悪な魔女・エズメラルダから逃げるためだったのです。

オーストラリアを舞台にしたファンタジーの3部作の1作目。扉をあけるとそこは... といえばナルニアですが、この作品では、扉の向こうはニューヨーク。信兵衛さんに教えていただいた作品です。
ずっと母親と密着した生活をしていて、母親に教え込まれたことをそのまま信じ込んで大きくなったけれど、実は... というのはよくあるパターン。この作品の主人公のリーズンもそう。サラフィナが14歳の時に飛び出したというエズメラルダの家に引き取られて、黒魔術を操る魔女に囚われたような気分になっています。でもエズメラルダの家は、サラフィナの言った通りの家でありながらも、もっと広くて明るくて清潔なイメージなんですよね。電気や水道もないって聞いてたのにきちんとしてるし、地下倉庫にあるのは動物の死体じゃなくてワインだし。しかもあてがわれた部屋にあるのは、かねてから読んでみたいと思っていた本。祖母自身も常識的な人間に見えるし、早速仲良くなった隣家の少年・トムはエズメラルダを全面的に信用しているみたい。最初は祖母と向き合おうとしないどころか、口をきこうともしないし、食べ物も自分で調達したものしか食べようとしないリーズンなんですが、そのリーズン(理性)という名前通り、母親の言ってたことを全面的に信じたいと思いながらも、どこかおかしいと感じ始めることになります。それでも、そうそう簡単に他人を信用するリーズンではないんですが。
この作品で楽しいのは、オーストラリアとニューヨークという2つの都市で話が進むこと。真夏のオーストラリアと真冬のニューヨークですしね。そして面白いのは魔法の概念。魔法の出てくる物語は多いんですけど、魔法がこういった扱いをされてるのって珍しいんじゃないかと... 便利なんだけど、とっても扱いが難しくて、結構究極の選択を迫られることになるんです。リーズンがどんな風に危機を乗り越えることになるのか、その辺りがとっても楽しみ。続けて「あたしをとらえた光」に行きます~。(ハヤカワ文庫FT)


+既読のジャスティーン・ラーバレスティア作品の感想+
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