「マハラジャのルビー サリー・ロックハートの冒険1」フィリップ・プルマン

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1872年10月。最近父を失ったばかりのサリー・ロックハートは、父がサミュエル・セレビーと共同で経営していたロックハート&セルビー海運会社へとやって来ます。3ヶ月前にスクーナー船<ラヴィニア号>が南シナ海に沈み、これに乗船していたサリーの父も亡くなっていました。しかしその日の朝、シンガポールからサリーのもとにメモのようなものが郵送されてきたのです。そこには父ではない筆跡で「サリ七つの祝福に用心しろ マーチバンクスが助けになってくれる チャツム 用人しろ」と書かれていました。サリーはミスター・セレビーを訪ねてきたのですが、ミスター・セレビーは生憎留守。そして代わりに会ったミスター・ヒッグスは、「七つの祝福」という言葉を聞いた途端、心臓麻痺で死んでしまったのです。

サリー・ロックハートの冒険シリーズの第1弾。この作品は4部作で、「ライラの冒険」シリーズよりも前に書かれた作品なんだそうです。
舞台はシャーロック・ホームズが活躍し始めるよりも10年ほど前のヴィクトリア朝のロンドン。孤児となったサリーを引き取る親戚・ミセス・リーズの造形もいかにもヴィクトリア朝の堅苦しい未婚女性って感じだし、当時の風物が生き生きと書かれているのが楽しいです。特にステレオスコープ(日本ではのぞきからくり)が面白そう! 主人公のサリーは、好きに学習するようにまかされた結果、「英文学、フランス語、歴史、美術、音楽に関する知識は皆無だが、軍の作戦、簿記、株式市場の動き、ヒンドゥー人に関する実用的知識には堪能となった」という、ヴィクトリア朝の女性としてはあり得ないほど個性的な少女。でも、サリー自身は今ひとつ魅力的ではなかったかな...。悪たれ少年のジムは可愛いし、写真家のフレドリックとその妹・ローザ、トレンブルといった面々が揃うバートンストリート45番地はすごく魅力的だったんですけどね。マハラジャのルビーや父親の死の謎といった本筋の冒険や謎よりも、サリーが店を建て直していく辺りの方が面白かったかも。
第2弾はこの作品の6年後。サリーは既に大学を卒業して一人立ちしているようです。また写真店の面々やジムが登場してくれるといいんだけど、どうなるのかな。(創元ブックランド)


+シリーズ既刊の感想+
「マハラジャのルビー サリー・ロックハートの冒険1」フィリップ・プルマン
「仮面の大富豪 サリー・ロックハートの冒険2」上下 フィリップ・プルマン

+既読のフィリップ・プルマン作品の感想+
「黄金の羅針盤」上下「神秘の剣」上下 フィリップ・プルマン
「琥珀の望遠鏡」上下 フィリップ・プルマン
「かかしと召し使い」フィリップ・プルマン

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Commentaires(2)

四季さん、こんにちは、YO-SHIです。

ファンタジーかと思っていたのですが、ミステリーでしたね。
私はサリーも結構魅力的だと思いましたが、一番はローザです。
第2弾は私も未読なのですが、写真店の面々が登場してくれると
うれしいです。
 

YO-SHIさん、こんにちは~。
私もファンタジーなんだとばかり思い込んでたんですけど
ミステリ&冒険 でしたね! びっくりしました。
おお、YO-SHIさんはローザがお気に入りでしたか。
美人で気が強くて、頭も良さそうでいいですね、彼女!

2作目も近いうちに読みたいと思ってるんです。
あの面々には再登場して欲しいですよね~。もちろんジムも。
どんな感じなんでしょうね。楽しみです。

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