「駆け出し魔法使いと海の呪文」ダイアン・デュエイン

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ニータの家族がハンプトンズの海岸沿いの貸し別荘で夏を過ごすことになり、友人のキットとジャーマン・シェパードのポンチも一緒に行くことになります。夜の海で泳ぐ2人。しかしその時、キットは岩がざわざわして何かに怯えているのを感じていました。海で何か起きているらしいのです。そしてイルカにクジラが「狩人」たちに追われて怪我を負っているのを聞いた2人は、クジラを助けに向かうことに。スリィという名前のそのクジラは海の魔法使いでした。スリィに海で起きている危機を聞いた2人は、「孤高なる者」を再び海底に封印し、海に平和を取り戻すための「十二の君の歌」という儀式に参加することを承諾します。

駆け出し魔法使いシリーズの第2弾。
前作から2ヵ月後、海の呪文という題名通り海の物語となっています。今回、海の中での情景や海の魔法の描写が素敵だし、敵なのか味方なのか微妙な存在の全身白いサメの長の造形もとても良かったんですが、それでも前作のホワイトホールの突飛さに比べてしまうと、やや凡庸かも...? でも今回はむしろ、葛藤する人間ドラマというか、2人の成長物語としての面が大きいんですね。ニータとキットが内容をきちんと理解しないまま安請け合いしてしまった役割は、非常に重大なもの。一度誓ってしまった言葉はもう元には戻せないし、誰も2人を助けることはできないのです。

でも、話は面白かったんですけど... 1つ引っかかってしまったのが捕鯨に関する記述。

これまでにも、なんでも胃袋に収めてしまう日本人のことは何度も耳にしていたが、他に食べるものはいくらでもあるだろうに、と思わずにいられなかった。(P.51)

私だって何が何でも絶対に捕鯨が必要だなんて思ってませんけど、こういうところに、他文化を認められないアメリカ人の度量の狭さを感じてしまって、なんだかヤな感じ~。近くのページでニューヨーク付近の海の汚染のことも書いているんですが、アメリカ人の愚かさも書いたら、それで公平な視点になったとでも? やっぱりどうもすっきりしないです。というか不愉快だわー。

それと疑問が1つ。あの本は相変わらず図書館から借り出してるってことなんでしょうか?(創元推理文庫)


+シリーズ既刊の感想+
「駆け出し魔法使いとはじまりの本」ダイアン・デュエイン
「駆け出し魔法使いと海の呪文」ダイアン・デュエイン

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 「駆け出し魔法使いと海の呪文」(ダイアン デュエイン/田村 美佐子:東京創元社)はダイアン デュエインによる「駆け出し魔法使いシリーズの第二弾である。ニ... » Lire la suite

Commentaires(2)

四季さん、こんにちは。YO-SHIです。

私もこの本を読みました。前作と比べるとドラマ性の高い作品でした。
私は、そのドラマに引っ張られるように、前作より楽しめました。

そう、捕鯨についての話については、私も引っ掛かりました。
「度量の狭さ」という言い方もありますが、私はむしろ「無邪気」
だなぁという気持ちがしました。
「自分が正しいと思っていることが、みんなにとっても正しい」
そんな考えを本人は意識さえせずに信じているんじゃないでしょうか。
この本を日本人も読むかもしれない、とは考えなかったのでしょうし。
 

YO-SHIさん、こんにちは~。
おお、YO-SHIさんも読まれましたか。
今回はホワイトホールみたいな意外性はなかったですけど
その分、正統派のファンタジーという感じでしたね。
海の中の場面もすごくよかったと思います~。
歌のように話すのとか、すごくロマンティックですし。
でもどちらが好きかといえば、やっぱり前作かな…
あの別世界の場面がすごく好きだったので♪

そうかー、「無邪気」ですか。うーん、アメリカ人ですものねえ。
確かに一般的な意見を深く考えずに書いたのかもしれないですね。
日本人に読まれることは想定してなかったとは思います、私も。

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