「勇敢なアズムーン」D・ナギーシキン

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ロシアでは4番目、世界では10番目の大河・アムール川流域に住むニブヒ(ギリヤーク)、ウデゲ、ナナイ(ゴリド)、ウリチなどの少数種族に伝わる民話をもとに創作されたという物語集。

アムール川というのは、この本では全長4,350Km、広いところの川幅は10キロあると書かれてるんですが、Wikipediaを見ると全長4,444Kmで世界8位の長さですって。モンゴル高原からロシアと中国との国境を通り、オホーツク海に面したアムール湾に注ぐ大河。中国では黒竜江または黒河と呼ばれているのだそう。
ここに収められた物語は全部で11編。どれもとても素朴な物語で、訳者あとがきを読むまで、創作だとは気がつかなかった... びっくり。それほど元々の民話らしさを生かした物語となっています。「勇敢なアズムーン」のように、不漁に苦しむ人々を見かねたアズムーンが海の老人・タイルナースに会いに行くというまるで神話に連なるのような物語もあれば、「クマとシマリスはどうして仲が悪くなったか」「ふたりの弱いものとひとりの強いもの」のような動物民話もあり、シンデレラ的な「小さなエリガー」あり、「大きな災難」「みなしごのマムブ」みたいに他の民族から攻めてこられた話もあり、バラエティに富んでますねー。
私が特に気に入ったのは、「チョリリとチョリチナイ」と「七つの恐怖」。「チョリリとチョリチナイ」は、親が決めた許婚チョリリとチョリチナイの物語。2人とも親を病気(ペストですって)で亡くして、もう大人になってたチョリリが幼いチョリチナイを家に引き取るんですね。で、結婚できるまで大きくなるのを待ってるんです。でも日に日に美しくなっていくチョリチナイに目を付けた長老・アルルィフが、チョリチナイにまじないをかけてクマにしてしまい... チョリリが作ったナイフや槍があくまでもチョリリを刺そうとしないところも面白いし、アルルィフのまじないを解くためにはアルルィフについている悪魔を殺さなくちゃいけなくて、そう聞いたチョリチナイが冒険する場面が素敵。チョリチナイは山の主のところに行くために九つの川を通り、九つの湖を通り、九つの山脈を越えたところにある、滑らかな岩石を上って主の天幕に向かうんです。悪魔のとこも面白いな。そして「七つの恐怖」は、臆病な心から兄をトラに攫われてしまった弟が、7つの恐怖を超えて救いに行く物語。罠にかかっている動物にすら、兄をなくしたことを罵られて見捨てられるとこが独特。ワシの羽根の助けを得て兄を探しに行けるようになった弟は次々に怖い目に遭うんですが、そのたびに「どうやら、これはまだ恐怖ではないようだ。恐怖は先にあるのだ」と次々に困難に打ち勝っていく場面が頼もしいです。(リブロポート)

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