「ピーターおじいさんの昔話」アーサー・ランサム

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小さなマルーシャは、兄さんのワーニャとピーターおじいさん、そして黒猫のウラジミールとエスキモー犬のバーヤンと一緒に、森の中の松の木で作った家に住んでいました。ワーニャとマルーシャの両親は2人が小さい時に亡くなっていたのです。2人の一番のお楽しみは、夜になるとピーターおじいさんが話してくれる物語でした。

先日読んだ「アーサー・ランサムのロシア昔話」の前に出ているのが、この本。ランサム自身がロシアで採取したという昔話全21編を、おじいさんが2人の孫に語り聞かせるという枠物語になってます。 めんどりの足の生えた小屋に住む恐ろしい魔女のバーバ・ヤーガ、火の鳥や魔法の馬といった存在はロシアならではだし、そんな物語で活躍するのは3人兄弟の末のイワンだったり~。それに川に恋する「サトコ」や「雪むすめ」といった物語も、ロシアの風土ならではの物語なんですよね。日本の雪女は怖いんですけど、ロシアの雪むすめはとても可憐。
しかも枠物語って大好きなんです。こういうところにアーサー・ランサムらしさが出てるんですね。とってもあったかくて、おじいさんと2人の孫という3人が、自分たちで物語を作り上げていってる感じです。自然にお話の中に引き込まれちゃう。いいなあ、こんなおじいさん、欲しいー。
プーシキンの本にもあった「金の魚」もあれば、エルショーフの「せむしの小馬」のような物語もあり、ラング世界童話集やアファナーシェフの「ロシア民話集」、「ブィリーナ英雄叙事詩」の中で読んだ物語もあって、全体的にはそれほど目新しくないんですが、それでも既に知っている物語とは展開の仕方や結末が少しずつ違うのが楽しいところ。例えば上で挙げた「雪むすめ」も、私が知っていた物語とは結末は同じでも、その途中経過が違うんですよね。そんな中で、とても新鮮に感じられたのは「銀の小皿とすきとおったリンゴの話」。これは3人姉妹が商人の父親にお土産を頼む物語で、それだけなら「美女と野獣」のバリエーションなんですけど、それとはまた違ってて... しかも「銀の小皿と熟れたリンゴの話」というのもロシア民話にはあるんですが(右の本に入ってます)、それともまたちょっと違ってて面白いんです。父親にその2つをどうするのかと聞かれた娘の答は、「お皿の上でリンゴをまわします」というもの。さてまわすとどうなるのでしょう? それは実際に読んでみてのお楽しみ♪(パピルス)


+既読のアーサー・ランサム作品の感想+
「アーサー・ランサムのロシア昔話」アーサー・ランサム
「ピーターおじいさんの昔話」アーサー・ランサム

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