「奔放な読書」ダニエル・ぺナック

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小さい頃は寝る前のお話が大好きだったのに、いつしか読書嫌いとなっていく子供たち。

読書嫌いが国語教育のせいばかりとは思いませんが、国語の授業によって読書好きが増えるということは、あまりないかもしれないですね。本が好きになる人は、国語の授業とはまるで関係ないところで本を好きになってるはず。少なくとも私はそうでした。だって、国語の授業で求められるのは正しい理解なんですもん。この文章は何に関するものなのか、この文章からはどういったことが読み取れるか、この時作者は何を言いたかったのか。あるいは、ここに入る接続詞は何なのか、この言葉を漢字で書きなさい... そんな設問ばっかり。そして読書感想文の提出。学校では本を読むことは教わるけれど、本を好きになることは教わらない、という言葉に同感です。
そこで現役の高校教師でもあるダニエル・ペナックが打ち出したのは、本の読み聞かせ。予備知識一切なしで、メモも何もとらずにとにかく読んでいるのを聴けばいい、という状況を作り出すこと。そしてひたすら読み聞かせているうちに、続きが気になった生徒たちは、逆に自分から本を手に取るようになったのだそうです。
ここでダニエル・ペナックが選んだのはパトリック・ジュースキントの「香水」なんですけど、見た目に威圧感のある思いっきり大きな単行本、でも実は字も余白も大きい、という本を選んだというのが、ペナックらしくて可笑しい♪

ここから考えられるのは、まず「読書と引き換えに何も求めないこと」の大切さ。実際、本を読むのは大好きな私ですが、その本を分析しろと言われても無理。荷が重いです。せいぜい感想を書く程度。同じ本を読んでも、その時々の経験値や精神状態によって印象が変わってくるのは当然だし、同じ作品を読んでも人によって受け止め方が違うのは当然のこと。一般の本好きとしては、評論家のように読む必要はないんですもん。たとえ誤読してたって、読みが浅くったって、そんなの他人には関係ないし。そんな自由があった上で、他人と本を読む楽しみを共有できれば、それ以上言うことはないかも。

「本嫌いのための新読書術」という副題なんですが、これは本が嫌いな人間に向けての本ではないです。むしろ本嫌いの周辺のための本。本嫌いの子供を持つ親、そして学校の国語教師に向けて書かれたような本。中身は確認してないんですけど、右の画像の「ペナック先生の愉快な読書法 読者の権利10ヶ条」という本と一緒なんじゃないかしら。同じとこから出てるけど、題名を変えたんですね、きっと。(藤原書店)


読者に与えられた権利10ケ条(あるいは読者が絶対に持ってる権利)とは。
  1. 読まない
  2. 飛ばし読みする
  3. 最後まで読まない
  4. 読み返す
  5. 手当たり次第になんでも読む
  6. ボヴァリズム(小説に書いてあることに染まりやすい病気)
  7. どこで読んでもいい
  8. あちこち拾い読みする
  9. 声を出して読む
  10. 黙っている


+既読のダニエル・ぺナック作品の感想+
「人喰い鬼のお愉しみ」D.ぺナック
「人喰い鬼のお愉しみ」「カービン銃の妖精」ダニエル・ぺナック
「散文売りの少女」ダニエル・ぺナック
「ムッシュ・マロセーヌ」ダニエル・ペナック
「片目のオオカミ」ダニエル・ペナック
「カモ少年と謎のペンフレンド」ダニエル・ペナック
「奔放な読書」ダニエル・ぺナック

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