「アーモンド入りチョコレートのワルツ」森絵都

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この5年間、夏になると従兄弟の章くんの別荘で過ごす5人。中3の章くんを筆頭に、中2の恭と智明、中1のナスと小4のじゃがまる。別荘にいる間は章くんが全ての行動を仕切り、夜の恒例のクラシック・アワー。今年は、シューマンの「子供の情景」でした... という「子供は眠る」。
「ぼく」が初めて藤谷りえ子と知り合ったのは、中3の秋の球技大会の日。不眠症に悩んでいた「ぼく」は、今は使われていない音楽室からバッハの「ゴルドベルク変奏曲」が流れてくるのを耳にします... という「彼女のアリア」。
絹子先生にピアノを習っている奈緒と君江の前に現れたのは、フランス語を話す「サティのおじさん」。4人はレッスンの後にワルツを踊り、素敵な時間を過ごすようになるのですが... という「アーモンド入りチョコレートのワルツ」。
以上3編。

森絵都さんの本も随分追っかけてたのに、最近はとんと読まなくなってしまいました。その間に出たのは「ラン」「架空の球を追う」「君と一緒に生きよう」の3冊。これはやっぱり大人向けの作品なんでしょうか。やっぱりこの方の場合、児童書~YA辺りの作品が好きです、私。
ということで、この「アーモンド入りチョコレートのワルツ」もそんなYA向けの作品。6年前に読んで以来の再読です。なんで今手に取ったかといえば、最初の「子供は眠る」はシューマンの「子供の情景」をテーマに書かれた作品だから。でもって、今ちょうど「子供の情景」を通して弾けるようになったところだから。単純。(笑)

3編とも中学生が主人公となっている物語です。こういう作品の再読って、なんだか懐かしい人に再会したような気分になりますね。久々にばったり会った友達と話しこんでしまって、そうそうあの時あんなこともあったよね!って感じで。いつも自分が中心で物事を仕切らないと気が済まない「子供は眠る」の章くんは、小学校時代の同級生のSさんみたい。「彼女のアリア」の藤谷さんは、中学からずっと一緒だったMちゃん。そして「アーモンド入りチョコレートのワルツ」の君絵は...。
章くんも、あれからぐんと大人になったんでしょうね。あの頃はなんだか懸命にもがいてたものね。表面上は決してそうは見せなかったけど。なあんて。

「子供の情景」のCDはアシュケナージ、アルゲリッチ、アラウ、ケンプなどいくつか聴いてて、それぞれにいいなと思うんですが、私はアルゲリッチのが一番好きかなあ。(右上) 奔放で大胆な演奏という印象のアルゲリッチも、ここでは母親としての優しい愛情深い顔を見せてくれるよう。一緒に入ってるクライスレリアーナはいつものアルゲリッチらしい演奏で、これまた素敵です。
あ、でも「彼女のアリア」で藤谷さんがバッハのゴールドベルク変奏曲を弾いてるんですけど、中学生でこの曲を弾いちゃうって、一体どんな...!! 私は楽譜を見たことないんですけど、難易度としては最高レベルなんじゃないですかね? 末はピアニスト? 序曲のアリアなら、楽譜的にはそれほど難しくないかもしれないけど。いずれにせよ、私もいつかは弾いてみたい憧れの曲集です。でも平均律の4声ですら荷が重い私には...。というこの曲は、グレン・グールドの(左)が好き。
そんな難易度最高レベル(多分)に対して、サティの「アーモンド入りチョコレートのワルツ」の可愛いことったら。こちらは逆に中学生というよりも、小学生向きなような気もしますが。(笑)

文庫本の表紙が、いつの間にかピアノの鍵盤の写真に変わっていてびっくりです。確かにピアノの話ばかりなんですけど、あまりにクリアな写真なので、この内容にはちょっと強すぎるような気がしてしまうー。最初に読んだのが、いせひでこさんの表紙の単行本だったので余計に。ということで、私が持ってる文庫の表紙の画像を出してみました。(現在の表紙は、アマゾンのリンク先で見られます)(角川文庫)


+既読の森絵都作品の感想+
「いつかパラソルの下で」森絵都
「にんきもののひけつ」「にんきもののねがい」「にんきものをめざせ!」「にんきもののはつこい」森絵都
「あいうえおちゃん」「流れ星におねがい」森絵都
「ぼくだけのこと」森絵都
「いちばんめの願いごと」森絵都
「屋久島ジュウソウ」森絵都
「風に舞いあがるビニールシート」森絵都
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」森絵都
Livreに、これ以前の全作品の感想があります)

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Commentaires(10)

四季さん、相当お久しぶりです((;´∀`)・・
今回のピアノの話題で飛びついてしまいました。
去年からピアノを何十年(?)ぶりに、習い始めて
(まだインベンションですが・・・)
最近はグールドを買いまくり聞いています。
四季さんはピアノを続けているのですか?
私はグールドのパルティータがお気に入りです♪
この本も読んでみようとおもいます。

のんさん、こんにちは~。お久しぶりです。
わあ、去年から習い始めてらっしゃるのですか。お仲間!!
私も久々に再開なんですよ。
高校3年生の時まで習ってたんです。
先生に「何をしたい?」って聞かれて「バッハ」と答えたら
ものすごくびっくりされてしまいましたが…
バッハいいですよねえ。大好きです。^^
でもこのブランクの後で平均律は無謀だったことに気がついて
今やってる曲が終わったら、シンフォニアに戻る予定です。
インベンションも大好き! あの1番は、今でもなんとなく弾けます♪

おおー、グールドのパルティータですか。
いいでしょうね~。私は持ってないのです。
ああ、聴きたくてうずうずしてきちゃいました。
買っちゃおうかな♪

このお話いいですね。
私も懐かしい感じがとっても気にいっています。
「ゴルトベルク変奏曲」と言えば、グールド!というほど、この曲の彼の演奏は神の啓示のようなものを感じます。
四季さんがupされているこれは彼の最後のアルバム。
深遠さが伝わってきて息が苦しいくらいです。(フレーズをものすごく遅く弾いてたりして時間が止まっているのではと思うような。)
曲のテーマであるリラックスということだとモノラル盤の最初の録音も名盤といわれています。
どちらも手元にあるのですが、私はモノラル盤のほうが気軽に聴けてよく聴いているかな・・と思います。
CDに焼いてお送りします。よかったら聴いてみて下さい。

お久しぶりです、こんばんは。
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」は既読なのですが、
読んだ当時はバッハを含むピアノ曲への興味がゼロだった為か
「ゴールドベルク変奏曲」が登場していた記憶もゼロ。むーぅ。
その「ゴールドベルク変奏曲」ですが、
私もグレン・グールド最後のアルバム持ってます。
寝られないときの為の曲ってことにはなってますけど、
グールドの演奏が神なので、
これを聴き始めると耳が集中しちゃってますます寝られません(笑)
先日、ボリス・ベレゾフスキーが演奏する
「ゴールドベルク」を生で聴く機会がありました。
グールドとは全然違うベレゾフスキー色満点の演奏で、
ドキドキしてしまい、やっぱり当然寝られませんでした。
や・・・勿体なくて寝られないコンサートです。

>ワルツさん
やっぱり懐かしい感じですよね!
あ、ワルツさんは最初の録音の方がお好きでしたか。
わあ、送って下さるなんて、ありがとうございます。
…でもごめんなさい、実は私、そちらも持ってるんです。(^^ゞ
最後の盤をたまたま先に買ったので、そちらばかり聞いてたんですが
最初のも評判いいみたいだし、どんなのだろう?って。
もう本当に全然違ってて、びっくりでした。
実際、録音時間も全然違いますね。
最後の方が「深遠さが伝わってきて息が苦しいくらい」というの
ものすごくよく分かります。
そうか、そうですよね、この作品で不眠症だった彼が
聞いてたのは、きっと最初の録音なんですね。
つむじ風のような旋律にびっくり、というのも最初の録音にぴったりです。^^

ワルツさんもきっと弾かれるのでしょうね。
私もいつかは弾けるようになりたいです~。

>菊花さん
お久しぶりです~。ご無沙汰してしまっててごめんなさい。
先日「ジュリアス・シーザー」を読んだ時に
これ、菊花さんも読んでらしたよなあ、なんて思いつつ、そのままに…

菊花さんもこのアルバムをお持ちでしたか。ほんといいですよねえ。
でも確かに安眠とは程遠いですよね。私も絶対寝られないな。(笑)
バッハのほかの曲ならまだしも、この曲は! しかもグールトときては!
耳が集中しちゃうって、ほんとそうですよね。

という私は、グールトが弾くゴールドベルク変奏曲しか知らないのです。
ボリス・ベレゾフスキーって、リストやショパンで有名な方ですよね。
バッハというのはなんだか意外…
と思ったら、やっぱりそうですか。グールトとはまた全然違う世界でしたか。
それは聴いてみたかったなあ。
というか、私も俄然生で聴きたくなってきました…!
やっぱり生で聴く迫力は違うんでしょうね。うわーん。じたばた。

四季さん!
そうですか。当然持ってらしたんですね。
ところで、アナログ盤のあのジャケットいいでしょ。
私は実は最初ジャケ買いしたんです。
聴いてみて、まずテーマの美しさに悩殺されてしまいました。
全部の変奏をさらうのは大変ですが、
気に入ったvariationだけを取り出して弾いています。
全部はグールド先生にお任せです。(笑)

>ワルツさん
そうなのです、実は持ってました。
いえいえ「当然」だなんてことは全然ないのですが~。お恥ずかしい。
うん、あのアナログ盤のジャケットは素敵ですね!
CDでしか見られないのが残念になっちゃいます。レコードの大きさが欲しい!!
最後の盤のは、もうオジサンですしねえ。(しかもなんか偉そう)
あ、そうだ、実は坂本龍一セレクションのジャケットも好きなんですよ。
あんまり楽しそうに弾いてるので
見ちゃいけないところを覗いたような感じでドキドキします。(持ってないけど・笑)

気に入ったとこだけ取り出して弾いてらっしゃるなんて素敵~♪
いいですねえ、私もいつか。
でも最近、自分の下手さ加減にはちょっとうんざりしてて…
シンフォニアよりもインベンションまで戻る方が良かったかなあ、なあんて。
基本から叩きなおしてもらった方がいいような気がしてきました…^^;

こんにちは。
「アーモンド~」はずう~っと前に読みたいなって思ってたんですけど、そのまま流れてまだ読まないままです☆

そして!私も同じくグールドの「ゴールドベルク」持っててお気に入りの一枚です♪
確かに中学生は弾かないですよね!
でも本は早く読まねば☆と思いました。

こんにちは!
Mrs.Holmesさんも森絵都さん、お好きですか~?
これは3つの小品が集まっているので、「子供の情景」ならぬ「中学生の情景」で(笑)
そういった情景を見つめる絵都さんの暖かい視線を感じる、素敵な作品集になってます。
機会を逃していたのであれば、これを機会にぜひ!

Mrs.Holmesさんも同じゴールドベルクがお好きなんですね。嬉しいな。
そうですよね、中学生は弾かないですよねーー。
でも弾いてる彼女、かなり上手いみたいなんですよ。ほんと羨ましいです。(笑)

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